December 13, 2011

涙のホウジャク羽化

ケアマネ試験にも無事合格して、ようやく虫三昧の生活に戻れるかと喜んでいたら、発表日の翌日に大型封筒が到着。開けて見ると、実務研修の案内と受講証が・・・なんと、1月早々に研修が始まるという。合格の美酒に酔う間も無く、研修準備に躍起になっていた。

昨夜遅く、すっかり忘れていた飼育品のシャーレを見ると、なにやら黒っぽいものが見える。それは、11月12日に蛹化したホウジャクで、いつの間にか羽化していたらしい。幼虫の表皮に黒い傷があったので、てっきり寄生されているものと思い込み、小さなシャーレに蛹を入れてあったので、気の毒に羽化不全の上、背胸の鱗片も剥げてしまっていた。広くて立派な御殿?を準備して羽化を楽しみにしていると、ヤドリバエや寄生蜂が羽化したりする。どうせ駄目だろうと思って小さな容器に放置すると、こういう時に限って羽化する。全く思うようにならないものである。見る影も無い成虫写真だが、一応アップしたい。
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Macroglossum stellatarum (Linnaeus, 1758) ホウジャク  2011年12月12日 飼育羽化を確認

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December 08, 2011

黄葉に身を隠すツヤアオカメムシ

一昨日、平和公園を散歩した。サクラの葉は赤色が鮮やかになり、コナラやアベマキの葉は黄色や茶色に染まり、園内は静かな雰囲気だった。枯葉を踏みながら、林縁をゆっくり周っているうちに、クロスジフユエダシャクと思しき淡茶色の蛾が時折ゆっくりと飛ぶ。トウカエデの木の側を通り過ぎようとした時、連れ合いが「あれ、こんなところにカメムシが・・・」と、呼び止める。指差す方向には、体の半分を葉の間に隠してツヤアオカメムシが静止しておる。緑色の姿は、まるでトウカエデの葉の一部としか見えない。先日は、クサギの縮んだ枯葉の内に隠れていた本種を見た。地面に堆積した枯葉の間で越冬するのだろうか。それとも、もっと暖かい土地へ移動するのだろうか。なお、アオクサカメムシ、ミナミアオカメムシ、ツヤアオカメムシはよく似ている。『原色図鑑カメムシ百種』(川沢哲夫・河村満, 1977)に掲載されている識別点によって、ツヤアオカメムシと同定した。

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Glaucias subpunctatus (Walker) ツヤアオカメムシ 2011年12月6日 名古屋市平和公園で撮影

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December 01, 2011

今年最初のフユシャク

今日は12月1日。昨日までの陽気と打って変わり、にわかに寒々しい冬模様となった。こんな日は薄暗くて幼虫も探しにくい。遠出をあきらめ、午後から飼育品の食草採取を兼ねて自宅周辺を周ってみた。ウリキンウワバ幼虫のためにキカラスウリ、カクモンヒトリ用にクワ、ゴマフリドクガ用にホルトノキ・・・状態の良い若葉を捜し歩いていると、足元からふわふわっと淡茶色の蛾が舞い上がった。この時期に、この飛び方といえば、フユシャク以外考えられない。夢中になって追いかけると、蛾は草叢の上に止まった。クロスジフユエダシャクだった。デジカメを接写モードにして、そっと近づき連写しまくった。なんとか撮れているようだったので、逃げられないうちにと、ビニール袋を被せて蛾を採集した。胸背の鱗片が剥げているので、羽化してから大分経っているようだ。自宅周辺では、ウスバフユシャクに比べてクロスジフユエダシャクは個体数が少ないので、思いがけない収穫で嬉しかった。
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Pachyerannis obliquaria (Motschulsky, 1861) クロスジフユエダシャク♂ 名古屋市東区で撮影


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November 28, 2011

晩秋の定番幼虫

ここ数日、朝夕の冷え込みが厳しくなり、紅葉が目立つようになってきた。先週は2回ほど平和公園へ立ち寄ったが、フユシャクの姿は未だ見られず、専ら植物の実の写真ばかり撮りまくった。マユミの紅色の実や、ソヨゴ、ナンテン、モチノキの赤い実が色鮮やかで美しい。カラスウリの黄色い実の写真を撮ったついでに、枯れかかった葉を見たら、ウリキンウワバの幼虫が3頭いた。脱皮前らしく、表皮が浮いていた。キンウワバ類の幼虫のうちでも形態が面白い幼虫である。
写真:Anadevidia peponis (Fabricius, 1775)ウリキンウワバ 幼虫(体長約18mm)

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この時期、幼虫が利用できる落葉広葉樹は少なくなっているが、カジノキは比較的遅くまで葉が残っている。公園などでは「駄木」として、伐採対象となりやすい木だが、養蚕盛んなりし頃には重要な有用木として珍重された。諏訪大社では、御神木として拝殿脇に植えられているほどである。カメムシ等が吸汁してボロボロになったカジノキの葉には、カクモンヒトリ中令幼虫が何頭もいた。幼虫は葉が落ちた後、樹幹で越冬する。
写真:Lemyra inaequalis inaequalis (Butler, 1879) カクモンヒトリ幼虫(体長約17mm)

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今や世界中に繁殖するイタドリは、遅くまで葉を付けている植物だが、この葉にはオオタバコガ幼虫が多数いた。
雑食性のオオタバコガ幼虫は冬季でも見られる。
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写真:Helicoverpa armigera armigera (Hübner, [1808])幼虫(体長約40mm)

2011年11月25日 名古屋市平和公園で撮影


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November 17, 2011

ミノウスバの恋

昨日は気持ちの良い秋晴れであった。晩秋の楽しみは、植物の果実の写真撮影である。植物の識別には、葉形や葉の付き方と共に、果実が手がかりとなることが多い。この期を逃しては又一年待たねばならないので、実という実は、ともかく手当たり次第撮影しまくる。クチナシの実を見つけ、早速撮影する。乾燥実は正月用きんとんの色付けには欠かせないが、生の実はイワカワシジミの飼育に欠かせない。次いでムラサキシキブの実の写真を撮り、さて今度はマユミの紅色の実の写真を・・・と、マユミの木に近づく。

すると、鮮やかなオレンジ色の塊が目に入る。目を凝らすと、マユミの葉にミノウスバの雌雄達が縺れるように群がっているではないか。他の枝にも何頭かいて、雄の中には腹端を挙げているものもいる。枝先で産卵中の雌達が折り重なっている一方、すぐ近くで交尾中のペア達、配偶者を求める雄達が群がっていた。
木の周りを多数のミノウスバがかなり早いスピードで飛びまわっている。オレンジ色の体が目立ち、大変美しい。
なんだか儲けものをしたようで、ちょっと嬉しい気分だった。
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Pryeria sinica Moore, 1877 ミノウスバ 2011年11月16日 名古屋市平和公園で撮影

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November 16, 2011

枝そっくりのオオトビスジエダシャク

昨日、平和公園を散策中、クサギ(クマツヅラ科)の木の側を通った。クサギの葉は、子供の頃飲んだ薬と同じ独特の臭いがする。クサギの枝を引き寄せ、「この枝そっくりの幼虫がいるんだよなあ」と、枝先に何気なく触れると、枝がふにゃふにゃに柔らかい。思わず手を離して、枝先を恐る恐る見る。枝と思って触ったのは、シャクガの幼虫だった。あやうく、手で潰すところであった。シャクガの幼虫なんてものは枝そっくりなんだけど、それにしても、これは擬態のやり過ぎ。どうやら、Ectropis excellens (Butler, 1884) オオトビスジエダシャクの幼虫らしい。
Ectropis属の幼虫は、いずれも多食性で形態も似たもの同士で紛らわしいが、発生期等を考えあわせると、恐らくオオトビスジエダシャクだろうと思う。近似種を幼虫で同定するのは自ずから限界があるので、正確な同定は、成虫の羽化を待つことにする。
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2011年11月15日 名古屋市平和公園で撮影

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サトクダマキモドキを狙うヨコヅナサシガメ(続)

昨日見たヨコヅナサシガメ幼虫とサトクダマキモドキのことが気になって、今日また平和公園へ立ち寄った。すると、くだんのサクラの樹幹には、サトクダマキモドキが昨日と全く同じ位置に同じような姿で静止しているではないか!ただ、違っていたのは、ヨコヅナサシガメ幼虫の位置だった。昨日のヨコヅナサシガメはサトクダマキモドキの後脚に口吻を差し入れていたが、今日は腹端にその口吻を差しいれていた。サトクダマキモドキは、時折長い触角を微かに動かす以外、麻痺でもしたかのように微動だにしない。これまで越冬中のヨコヅナサシガメ幼虫がフユシャクの雌やミツバチを襲ったりするところを目撃したことはある。しかし、これらの昆虫はヨコヅナサシガメ幼虫の体とほぼ同じ大きさである。よもや、自分の体の何倍もある大物狩を、一頭だけで丸一日以上かけて周到に行うとは夢にも思わなかった。
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サトクダマキモドキを襲うヨコヅナサシガメ幼虫 2011年11月16日 名古屋市平和公園で撮影

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サトクダマキモドキを狙うヨコヅナサシガメ

午前中、秋色漂う平和公園を散策した。林縁沿いを歩いていると、サクラの古木の樹幹に静止するサトクダマキモドキの♂を見つける。すぐ近くへ寄っても逃げないので、かなり弱った個体なのだろうか?そう思ってよく見ると、ヨコヅナサシガメの幼虫が忍び寄り、サトクダマキモドキの後脚の脛節と跗節との間に口吻を差し込んでいる。こんな大きな獲物を1頭の小さなヨコヅナサシガメ幼虫が仕留めることが出来るのだろうか?生憎、先を急いでいたので、この成り行きを見ることは出来なかったが、もし成功すれば、同じ樹の窪みで集団生活を送る仲間の幼虫達にとっては大変な御馳走になりそうだ。
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サトクダマキモドキを狙うヨコヅナサシガメ幼虫 2011年11月15日 名古屋市平和公園で撮影

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November 14, 2011

ヒメハサミツノカメムシ

昨日、仕事の帰りに平和公園へ立ち寄った。最近、日が暮れるのが早くなって、公園に着いた時には既に辺りは薄暗くなっていた。なるべく明るい林縁沿いを歩いていると、クワの葉上にカメムシの姿。早速シャッターを切るが手ぶれでピンボケ。種名がすぐわからなかったので、取りあえずシャーレに入れて持ち帰る。『日本原色カメムシ図鑑』の写真と記載を見比べた結果、前胸背側角の形状、♀生殖節後縁が直線状であること、ハサミの形状から判断して、どうやらヒメハサミツノカメムシの♀らしいことが判った。図鑑には♀成虫の写真は掲載されていなかったし、色彩も緑色型のことしか記されていなかったが、越冬前個体が緑色から赤褐色に変化することはよくある。変化しやすい色彩よりも、形態的特徴の方が同定の安定した基準だと思う。
因みに下の写真は冷蔵庫に少し入ってもらった後撮影したもの。
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ヒメハサミツノカメムシ♀ 2011年11月13日 名古屋市平和公園で撮影

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2011年11月14日 自宅で撮影

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November 11, 2011

リュウキュウキノカワガの幼虫飼育

先日より、ずっと中断して来た幼虫飼育を再開した。手当たり次第幼虫を見つけては撮影しまくり、どんな普通種でも採集して嬉々として飼育する。まるで、緊急避難させていた自分自身をようやく取り戻したような思いである。
今日は生憎朝から雨模様。しかし、こんな日も幼虫屋はシャーレ内の幼虫の世話や、生態観察をする楽しみがある。先日採集したリュウキュウキノカワガの幼虫達の餌換えをしたところ、幼虫の数がいつの間にか増えていることに気づく。どうやら、食餌用として採ってきたヤマモモの新葉にも幼虫が付いていたらしい。

幼虫はヤマモモの新葉に色彩がそっくりで、葉裏の主脈の上にピッタリと静止すると、葉の一部にしか見えない。初めてリュウキュウキノカワガ終令幼虫を付近のヤママモで見つけた時、デジカメを持っていなかったので、急いで家へ取りに戻り、撮影しようとしたところ、つい先程目に入った幼虫がどうしても見つからない。日を改めて再度時間をかけて、幼虫のいたヤマモモの葉という葉を掻き分けて、ようやく見つけ出した覚えがある。シャーレ内で居ることがわかっているはずなのに、探し出すことに一苦労することすら。写真は飼育品で体長約18mm。
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Risoba prominens Moore, 1881 リュウキュウキノカワガ中令幼虫  2011年11月11日 名古屋市東区で撮影

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November 10, 2011

ササキリ

昨日、平和公園へ寄ってみた。園内には、かなりまとまった数のハクチョウゲが植栽されているので、ホウジャクの幼虫が発生しているのではないかと思い、探してみた。しかし、数が多すぎて、すぐ集中力が切れてしまった。ざっと見たところでは、食痕も見られず、発生していないように見えた。蛾の幼虫なんて、大量に発生しても、少し時期がズレれば、さっぱり見つからないもの。また、時期を変えて又探索してみようと思う。

手ぶらで帰るのも寂しいので、枯れたササに止まっていたササキリを撮影する。ササキリは好きな直翅目昆虫の一つ。それにしても、長い蝕角である。写真の解像度が低いので見難いが、翅や前胸背、触角基部は構造色になっていて、光を浴びると、黒色が虹色に輝くことに気づいた。
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ササキリ♂ 2011年11月9日 名古屋市平和公園で撮影

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November 09, 2011

ホウジャクの幼虫(続編)

数日前、河川敷で見つけたホウジャクの幼虫について書いたが、あれから近所を探索した結果、別の場所でも植栽のハクチョウゲ(アカネ科)に幼虫が発生していることに気づいた。河川敷と同じように、日当りの良い場所で、定期的に剪定が行われているらしく、柔らかい葉が多く見られた。ホウジャクの幼虫は若令から終令までの令数で、ざっと見ても10頭以上はいた。寄生蜂やヤドリバエなどの寄生性天敵も多いらしく、明らかに様子のおかしい幼虫も見られた。25年以上もの間、蛾類幼虫の飼育を行ってきたが、ホウジャクの幼虫を飼育するのは初めてのこと。しかも、幼虫を自分自身で見つけて飼育する喜びは何物にも代え難い。先日、NHKのテレビで「ブータンシボリアゲハ謁見記」という番組を放映していた。確かにブータンシボリアゲハは素晴らしい蝶だが、虫屋にとって、長年自分が追い求めて来た虫を発見した時は、たとえ普通種であっても、同じ興奮と陶酔を与えてくれる。

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ホウジャク幼虫 2011年11月8日 名古屋市千種区で撮影

【追記】 2011年11月12日
ホウジャク幼虫は、11月10日から12日にかけて、飼育ケースの底に敷いてあったティッシュペーパーの間に潜り込み、食草の葉を粗く綴リ合わせ、その内で前蛹となった。なお、小さめの幼虫1頭は斃死した。

【追記】 2011年11月18日
たまたま古い画像を整理していたら、ネズミモチの花で吸蜜するホウジャクの成虫写真が出てきたので、参考までにアップする。
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Macroglossum stellatarum (Linnaeus, 1758) ホウジャク 2000年6月3日 名古屋市東区で撮影


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November 08, 2011

ヒメジュウジナガカメムシ

2週間ほど前に行われた草刈のお陰で、河川敷はすっかり丸坊主に。河川敷の限られた場所に生えていたガガイモ、クズ、ワレモコウ、コマツナギなど、昆虫に縁の深い野草もほとんど刈り取られてしまった。無論、環境の悪化した河川敷にギンツバメやミヤマシジミ、いわんやゴマシジミなど棲息するはずも無い。しかし、蛾や蝶の食草が近くに在るというだけで、何か癒される思いがした。それが急に目の前から消えてしまうと、言い知れぬ喪失感に襲われる。記憶を辿って、食草を探すと、アベリアに絡まるガガイモがかろうじて残っていた。枯れかかった葉表にはヒメジュウジナガカメムシの成虫が群生していた。冬にも成虫を見たことがあるので、多分成虫越冬なのだろう。
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Tropidothorax belogolowi(Jakovlev) ヒメジュウジナガカメムシ 2011年11月7日 名古屋市東区で撮影

【お侘びと訂正】 2011年11月8日
当初、ガガイモ葉裏の黄色の昆虫をヒメジュウジナガカメムシの幼虫と書きました。しかし、星谷さんの御指摘により、アブラムシの仲間であることが判明しましたので、文章を訂正させて頂きました。黄色のアブラムシは、吸汁植物がガガイモであることや、形態から、キョウチクトウアブラムシではないかと思います。

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November 06, 2011

あれ、秋にツクシが・・・・

今日は雨が降ったり、止んだり・・・遠出も出来ず、自宅の周りを虫を探して一日中うろうろ。蛾の幼虫の方は、普通種ながら、リュウキュウキノカワガ(ヤマモモ葉裏)、ホシホウジャク(ヘクソカズラ摂食中)、アメリカシロヒトリ(クワの葉で集団営巣)を観察した。カメムシ類は、ヒメジュウジナガカメムシ(ガガイモ葉裏)とクサギカメムシ(ヤブデマリ葉上)を見た。

しかし、今日一番驚いたのは、ツクシである。2週間ほど前、自宅裏の河川敷では大々的な草刈が行われたのだが、今日よくよく見ると、草の間から季節はずれの黄緑色のツクシの姿があちこちに見られた。このところ、小春日和が続き、先日(11月2日)にはホタルガの出現という珍事もあった。マダラガ類の化成などはかなり幅があるので、遅目に蛹化した個体がこのところの暑さで、間違って羽化しても、それほど不思議なことでは無い。私にとって、季節外れのツクシの出現の方が驚きである。このツクシ、色も青く、卵とじにしてもあまり美味しくなさそう。
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2011年11月6日 名古屋市東区で撮影

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ホウジャクの幼虫

昨日、出勤途中に植栽のハクチョウゲの側を通ったら、葉の間から幼虫の姿が目に入った。最初はホシホウジャクかな?と思ったのだが、少し違っているようにも見える。体長20mm余りの若令幼虫だ。そっと手で触れると、幼虫はポロッと下に落ちてしまった。しかたがないので、地面に落ちたまま、デジカメに納めた。シャーレを持っていなかったので、採集せずに元の枝に戻してやった。帰宅してからパソコンに取り込んだ画像をよく見ると、どうやらMacroglossum stellatarum (Linnaeus, 1758)ホウジャク の幼虫らしい。そういえば、つい先日、花の周りをホシヒメホウジャクと一緒にホウジャクの成虫が飛んでいるのを見た。ホウジャクが飛ぶ姿は、尾端の白色部分が目立つので、すぐ分かる。自宅周辺では10-11月に見られる。
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Macroglossum stellatarum (Linnaeus, 1758)ホウジャク若令幼虫 2011年11月5日 名古屋市千種区で撮影

この日は他にウラナミシジミ、ムラサキシジミ、ヒメアカタテハを見た。

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シソの葉上のウラナミシジミ 2011年11月5日 名古屋市東区で撮影


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November 02, 2011

11月のホタルガ

10月23日、ようやくケアマネ試験も終わり、後は結果をゆっくり待つばかり。受験勉強のために10ヶ月間封印していた昆虫観察を再開することになった。とはいえ、気が付いてみたら、もう晩秋。たいていの虫は姿を消しかけている。おまけに10ヶ月ものブランク。この間、虫のことで知識が増えたのは、試験頻出のノルウェー疥癬を引き起こすヒゼンダニのことだけ(;_;)。虫を探す目もすっかり衰え、同定力も完全に鈍っている。どうやら完全復帰には少なくとも数ヶ月はかかりそうである。

幸い、フユシャクシーズンまでには少しゆとりがあるし、ゆっくり時間をかけて鈍った虫屋力を取り戻そうと思いたち、しまい込んでいたデジカメを取り出した。そして、階下に降りたとたんに、ガラス戸に静止する小型の鱗翅目昆虫が目に止まった。最初はテングチョウかと思ったが、よく見るとイカリモンガであった。秋の個体は比較的珍しいし、最近は周辺も開発が進み、食草のシダ類も減少している。自宅周辺では少なくともここ20年ぐらい見ていない。これは幸先の良い再スタートである。
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気を良くして、久しぶりに散歩がてら平和公園へ行ってみることに。自宅周辺よりはるかに自然が豊かで、少し歩くだけで心が和む。特に何か探すということもなく、のんびりと歩いていると、ハッカクの木の高いところに黒地に白い帯をした蛾の姿が見えるではないか。一瞬我が目を疑ったが、なんとそれはホタルガであった。葉上でしきりに蝕角を動かしており、櫛毛状の蝕角から明らかに♂とわかる。写真を撮りたかったが、高すぎて上手く撮れない。網も持っていない。同行の伴侶が棒切れを投げて、下へ落とそうとしたが、かえって裏目に出て、もっと上の方へ移動してしまった。11月にホタルガの♂成虫が見られるとは!これも、一生懸命勉強したご褒美かな?

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January 21, 2011

寒さを凌ぐウスバフユシャク

今日は快晴。しかし、風は冷たくて気温も低い。寒い日のフユシャク探しは、フユシャクとの根気比べだ。毛糸のロングマフラーと二重手袋で完全防備して平和公園へ着くと、いつものごとくサクラの樹幹を根元から目が届く位置まで食い入るように見て周った。しかし、フユシャクらしきものは見つからなかった。あきらめかけていた時、同行の連れが、「あっ、いた」と、手招きする。指差す方向を見ると、樹皮の割れ目の奥にウスバフユシャクが潜んでいた。うっかりしていると、見過ごしてしまうような巧みな隠れ方である。
2011年1月21日 名古屋市千種区 平和公園

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January 15, 2011

小雪の中のフユシャク観察

昨日は休みだったので、フユシャク観察に平和公園へ赴いた。いつものごとくサクラの樹幹を見て周ったのだが、ともかく寒くて、一所に長く立っていられない。そのうち、小雪が舞いはじめ、視界まで悪くなる。フユシャクはきっと居るに違いないが、探す人間の方が寒さに耐えられない。今日は坊主がなあ、と思い始めたところ、樹幹の少し凹んだところで風を避けるようにして止まっているウスバフユシャクを見つける。これに気を良くしていると、続いてもう1頭。やはりウスバフユシャクだ。帰りがけに木の根元で死んでいる同種を発見。なんと、それは交尾個体で、どうやら交尾中にクモの張った糸に絡まって身動きがとれなくなったらしい。因みに雌雄の腹部に捕食の形跡は見受けられなかった。
ウスバフユシャク 2011年1月14日 名古屋市千種区平和公園

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January 11, 2011

ナミスジフユナミシャク

ナミスジフユナミシャクは、日本産蛾類大図鑑(1982、講談社)では、学名をOperophtera brumata(Linnaeus, 1758)とされ、シベリア東部からヨーロッパまで広く分布すると記されている。1991年、中島秀雄氏は『蝶と蛾』42巻3号において、本種がヨーロッパ産とは異なる独立種であり、さらに2種に分類できるとして、Operophtera brunnea Nakajima コナミフユナミシャクとOperophtera variabilis Nakajima オオナミフユナミシャクを新種記載した。

この分類の細分化によって、ナミスジフユナミシャク種群の同定は困難を極めるようになった。原著論文の記載内容や同氏の学位論文『日本産フユシャクガ類(鱗翅目, シャクガ科)の分類学的, 生態学的研究』(Tinea Vol..15 (Supplement2), 1998)の種記載に夫々当てはまる個体もある一方、コナミフユナミシャクか、オオナミフユナミシャクか形態的に識別できない個体も多々存在した。これは同定能力の無い私だけの悩みなのかと思っていたら、どうもそうでは無かったらしい。

昨年、中島秀雄氏は『日本産フユシャクガの種の再検討』(蛾類通信 No.257:154-158)を発表した。それによると、コナミフユナミシャクとオオナミフユナミシャクの2種は同一種の種内個体変異であるとして、ナミスジフユナミシャクの和名を戻し、学名にはOperophtera brunnea Nakajima 1991を適用した。1991年のコナミフユナミシャク、オオナミフユナミシャク記載以降、多くの採集観察データが集積され、それを検討したところ、中間種も多く、両種の識別は困難という結論に至ったとのこと。

分類学上の誤りを自ら正す中島氏の潔さに感服する一方で、種分類の困難性、ひいては種とは何かについて改めて思いを巡らさないでおられない。もっとも、蛾の方は人間から何と呼ばれようと関係なく、毎年この季節になると、その姿や生態を、驚嘆すべき多様性で以って見せてくれるのである。

ナミスジフユナミシャク 2011年1月5日 名古屋市千種区平和公園

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January 09, 2011

ウスバフユシャクの隠れ場所

正月以来、一月とは思えぬほどの晴れ間が続いている。こんな時期の楽しみは何といってもフユシャク探しである。仕事が終われば平和公園へ直行して、サクラの樹幹を目を釘付けにして見て周る。灯火採集や糖蜜採集は効率よく定量的な昆虫分布調査ができるという点では意味深い。しかし、私は蛾類の種数よりも生態に関心があるので、たとえ効率は悪くても、目視で探すことにしている。フユシャクにとって捕食性天敵は先ず鳥類、クモ類、サシガメ類であろう。それらの天敵の目をくらます為に、フユシャクは枯葉や樹皮の一部であるかのような体色や模様を活用して身を護る。そうした保身を見破る楽しみは格別である。

1)木の腐食部に静止  
サクラの大木の一部が腐食して、スポンジ状にふかふかになっている。そこだけ色が淡黄土色になっており、ピタリと張り付くように静止していると、まるで背景色と一体化され、遠くからはわかりにくい。
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2)樹皮の割れ目に隠れる
樹皮の割れ目の間に隠れると、見る角度によっては全く見えないことがある。
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3)枯葉に擬態?
枯葉がひっかかっているのかな?と思って触って見ると、ふわっとした触感。頭隠して尻隠さず。
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4)根際に隠れる
木の根元の枯葉や雑草の間に身を隠す。動かないかぎり、保護色のためにまず見つからない。風除けも兼ねる利口な隠れ方である。
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December 27, 2010

クロウスタビガ初令幼虫全滅

昨年、北海道の友人Nさんは、Rhodinia jankowskii hokkaidoensis Inoue, 1965 クロウスタビガ北海道亜種の採卵飼育に成功し、飼育羽化にこぎつけた。友人によると、新田信悟氏の「蛾類レポーツ」の飼育記録のような飼育苦労は少なく、「クロウスタビガの幼虫は飼育しやすかった」とのこと。昆虫飼育の達人である友人ならではのことと思う。飼育下手の私には参考にならない。これまで、私自身も長野県奈川村へ何度も行き、クロウスタビガ本州亜種の母蛾を採集し採卵を試みた。しかし、少数卵しか採卵できす、とうとう孵化しなかった。

友人は今年も母蛾から採卵し、卵の一部を11月中旬に送ってくれた。友人のアドバイスどおり、私は軒の下に卵を置き、来春の卵の孵化を心待ちにしていた。クロウスタビガの幼虫飼育は私の長年の夢である。それなのに、このところ忙しさにかまけて、クロウスタビガの卵のことなどすっかり忘れていた。

ところが、今日Nさんからモモブトスカシバの虫エイが届き、クロウスタビガの卵のことが急に気になった。様子を見に行ったところ、なんと黒い幼虫が孵化し、カラカラに干からびていたのである。しかも9頭も孵化している。こういう時に限って孵化率がいいんだから。そういえば、北海道では雪が降っているというのに、名古屋は12月とは思えないほど暖かい日が続いていた。12月に孵化してしまっても、少しも不思議ではない。卵を冷蔵庫に入れて保存すべきだったのかもしれないが、以前冷蔵庫で保存した九州産キイロトゲエダシャクの卵が、胚子が成長しながらも、遂に孵化しなかった苦い体験があったために、冷蔵庫保存に躊躇があった。
いずれにせよ、せっかく卵を送ってくれた友人には申し訳なく、泣きたい気分である。来年はキハダにつく野外の幼虫を見つけるしかないなあ。

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モモブトスカシバの虫エイ

今日、少し遅いクリスマスプレゼントが北海道から届いた。サンタさんは虫屋のNさん。北海道に住むNさんは Macroscelesia japona (Hampson, 1919)モモブトスカシバの虫エイを今年多数採集したらしく、その一部を送って下さったのだ。モモブトスカシバは小型のスカシバガ。孵化した幼虫はアマチャヅル(ウリ科)の茎に潜入して虫エイを造り生育する。虫エイの内部で終令幼虫のまま越冬し、翌年6-8月に羽化する。Nさんのお見通しのとおり、虫エイを容器に入れておけば、後は何もしなくても成虫が得られるーまさに、なまけ者の私にはピッタリの贈り物だ。

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キノカワガのだまし絵

快晴に誘われ、平和公園へ立ち寄った。今日は長居が出来ないため、いつもの御神木へ直行した。先ずソメイヨシノの樹幹を遠景から眺めると、蛾の姿は見えない。
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そこで、今度は樹木に近づき、樹皮に目を寄せるようにして探す。すると、規則的な樹皮模様の間に、こげ茶色の不自然な盛り上がりがあるではないか!Blenina senex (Butler, 1878) キノカワガだ。それにしても、樹皮の窪みそっくりで実に上手く隠れたものだ。
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December 22, 2010

チャバネフユエダシャク

今日は冬至とは思えぬほど暖かい日だった。こんな日はフユシャクが羽化しているかもしれない。仕事を終えると、期待に胸を膨らませながら、すぐ平和公園へ赴いた。ところが、いざ平和公園へ着いてみると、意外に風が強く、空気は乾燥している。ううん、まずい。からりと晴れ、きれいな月が昇るような日は、人間には心地良くとも、蛾には喜ばれない。これは駄目かなと、不安が過ぎったとたんに、「あっ、居た」と、連れが街路樹のサクラを指差す。それはErannis golda Djakonov, 1929 チャバネフユエダシャクだった。すぐ横を車が猛スピードで次々と走りぬける。車が通過する度に風圧で今にも吹き飛ばされそうになる。急いで写真撮影をして、個体を採集する。今年の春、チャバネフユエダシャクの幼虫を多く見ているとはいえ、こうして成虫を確認する喜びは一入である。オスがいたのだから、今度はメスも期待できそうだ。

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December 19, 2010

今年初のシロオビフユシャク

今日は12月とは思えないほど暖かく風の無い日だった。こんな日にはフユシャクがいるかもしれないと思い、仕事が終わるとすぐに平和公園へ行った。既に日が傾きかけていたので、くだんのサクラの古木の許へ・・・ 樹幹を見上げるが、蛾の姿は見当たらない。「絶好の日なのに、どうして居ないのだろう?」と、不思議に思っていると、樹幹の窪みに枯葉のようなものが引っ掛かっている。よく見ると、枯葉そっくりだが、それは紛れも無く蛾であった。Oraesia excavata (Butler, 1878) アカエグリバ である。すぐ側には幼虫の食草であるアオツヅラフジがあり、まだ緑色の葉を残していた。恐らく付近で羽化した個体であろう。

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一つ成果があったので喜んでいると、今度はサクラの根元近くに小さな三角形のシルエットが目に入った。近寄ると、Alsophila japonensis (Warren, 1894) シロオビフユシャクのようだ。今年は未だシロオビフユシャクを見ていなかったので、とても嬉しい。羽化したての個体らしく、暗緑色に見える。デジカメで撮影しようとすると、背景の苔や樹皮にピントが合ってしまい、肝心の蛾の方がボケてしまう。シロオビフユシャクは、カメラが騙されるほど背景色に同化しているということだろう。採集した個体を家で調べたところ、前翅は灰色で、野外で見えたはずの暗緑色は失われていた。野外の光の下、見る角度により前翅の色彩が暗緑色や灰色などに変化する構造色なのだろうか。

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December 18, 2010

アキカバナミシャク

今日は午前中は曇り。風も強く、肌寒い。昼頃に平和公園に立ち寄った。いつも蛾が止まっているサクラの木があるので、そこへ直行すると、樹幹に前翅長9mmほどの小さなシャクガがペタリと張り付くように止まっていた。カバナミシャクの仲間のようだ。寒さで手ぶれして、うまく写真撮影できなかったが、Eupithecia subfumosa Inoue, 1965 アキカバナミシャク らしい。Eupithecia カバナミシャクの仲間はよく似ているので、同定には自信が無い。

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ヒメクロオビフユナミシャクか

今週火曜日から風邪を引いて、2日間寝込んでしまった。木曜日の午後になって、ようやく体調が戻りかけたので、早速平和公園へ。いつものように、サクラの樹幹を見て周ったのだが、虫の姿は無かった。寒くて長く居られないので、すぐ引き上げることにする。「今日は何のお土産もないのかな」と、諦めかけていたところ、足元近くで薄い紙切れのようなものがかすかに動く。フユシャクだ。そっとカメラを近づける。こんな地面すれすれのところに隠れているとは!どおりで、見つからないはずだ。私は木の上の方ばかり見上げて探していたからだ。
当初、クロオビフユナミシャクとばかり思っていたが、家へ戻って、写真と標本を試す返す見たところ、内横線がR1で直角に曲がっていたり、触角の櫛毛が長いので、かすれて斑紋がみにくいが、どうやら Operophtera crispifascia Inoue, 1982 ヒメクロオビフユナミシャクらしい。

蛾類の種分類は、成虫及び幼虫の外部形態、交尾器、食性、最近ではDNA配列情報を分類基準にして行なわれる。しかし、いわゆる近似種の場合、種間の相違は必ずしも明確ではない。交尾器の相違が「生殖隔離機構」の存在根拠とされているが、野外での生殖隔離成立を即保証するものではない。野外の個体の中には極めて紛らわしいものもいる。種分類は人間が生物を恣意的に分けたものである以上、自然界に種記載の枠組みに収まらない個体が居ても少しも不思議ではないと思う。

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December 13, 2010

雨の日の虫散歩

今日は午前10時ごろから雨がパラパラと降り出した。しかし、虫大好き人間は、こんな日も傘を片手にいそいそとフィールドへ。行き先は通い慣れたる平和公園。少々の雨なら、人気も少ないし、ゆっくり虫探しが楽しめる。まず最初に向かったのは、いつも蛾が止まっているサクラの古木。苔生した樹幹を見上げると、チャエダシャクがしがみ付いていた。付近の木を見て廻ると、今度はコカマキリのメスが目に入った。前脚腿節内側の黒色紋がはっきり見える。腹部がまだ膨らんでいるので、産卵場所でも探しているのだろうか。

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雨足が次第に激しくなって来る。虫は逃げないが、カメラが濡れると困るので、引き上げることにする。サクラの木を見ながら戻る途中、樹幹に静止するカブラヤガ(写真)を見つける。多食性の代表的農業害虫で、さすがの私も成虫、幼虫ともに見つけても喜べない類の「超」普通種。チャエダシャクの方も3頭追加する。チャエダシャクは発生期たけなわのようだ。

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December 12, 2010

クロオビフユナミシャク隠れの術

先週の金曜日、フユシャクでも見ようと、平和公園へ立ち寄った。ところが、晴天にもかかわらず、時間帯が悪いのか、虫の姿はさっぱり見られない。枯葉の上を飛ぶキタキチョウがいるぐらい。あきらめて帰りかけたところ、石畳の上を小さな枯葉状のものが微かに動いているような気がした。「あっ、フユシャクだ」と、目を凝らすと、黒と白の石畳の上に一頭のシャクガが止まっていた。斑紋は擦れかかって不鮮明だが、Operophtera relegata Prout, 1908 クロオビフユナミシャクだった。それにしても、背景色に巧みに溶け込み、身を隠す術はいつもながらお見事である。写真は2,010年12月10日 名古屋市平和公園で撮影

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December 06, 2010

冬の蛾達

普通、昆虫は春から秋に出現するものが多い。しかし、蛾の中には寒くなると出現する変わりものがいる。その最たるものがフユシャクである。多くの虫が姿を消すこの時期、フユシャクの出現は蛾屋にとって、まさに冬の贈り物である。なかでも、クロスジフユエダシャクは出現期が比較的長く、昼行性であることから目に留り易い。
12月5日、名古屋市の平和公園へ行ったところ、Pachyerannis obliquaria (Motschulsky, 1861)クロスジフユエダシャクを目にした。成虫は枯葉の間に潜み、林内に太陽光が差し込むと、ひらひらを飛び出す。飛び方はゆっくりだが、飛翔を開始するとほとんど止まらないので、好天気の日はかえってシャッターチャンスが少ない。

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活発なクロスジフユエダシャクと好対照なのが、Megabiston plumosaria (Leech, 1891)チャエダシャクである。
この蛾も晩秋から冬に出現するが、たいてい樹幹や葉上に翅を拡げてピッタリと張り付くように静止している。普通種であるが、蛾の少ない時期には大きめだけに存在感がある。写真ではよく見えないが、両櫛毛状の触角が見事な♂個体である。

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