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April 07, 2005

トビネシャチホコ幼虫

対馬のYohboさんから頂いたトビネシャチホコNephodonta tsushimensis Sugi の卵から孵化した幼虫は今のところ大変順調に成育しています。しかし、私は安心したり、喜んだりしてません。というのも、トラフヒトリにしても、ツシマキモンチラシにしても、およそ対馬のガ類には過去4回の飼育体験で、ひどい目にあっているからです。

トラフヒトリは、何でも摂食し、最初は飼育しやすい丈夫な幼虫だと思っていました。ところが、いざ蛹化となると、急に鋭敏になり、飼育箱を動き回り、一向に蛹化してくれません。本種は老熟すると、餌場を離れて分散移動、樹皮の隙間などに入りこんで蛹化する習性があるらしく、それなりの蛹化準備をしてやる必要があるようです。中令以降は、同じ飼育箱に複数頭飼育するのも禁物です。幼虫期間が約2ヶ月の長丁場というのも泣きです。餌が古いと、幼虫が弱り、とても蛹化まで持ち込めません。

ツシマキモンチラシも幼虫期間が9ヶ月余りで、近縁のオキナワルリチラシよりも手がかかります。夏には冷房をきかせた部屋に置き、ヒサカキは頻繁にとり換えるなど、もう辛いです。うっかり餌にホタルガの卵がついていたりすると、強いホタルガに追いやられ、ツシマキモンチラシは死んでしまうし、何かと神経を使います。

そんなわけで、トビネシャチホコの幼虫飼育は、まだまだ一波乱ありそうで、気を引き締めていきたいと思います。

ー追記(2005年4月13日)ー
トビネシャチホコ幼虫は先発組が5令になりました。やっと、シャチホコらしくなってきました。
5令でも体長30mmにも満たないので、これから何回脱皮するのか、先が思いやられます。対馬のガは幼虫期間が長いから大変。蛹化習性も不明なので、前途多難です。
写真は向かって左からトビネシャチホコ3令幼虫、4令幼虫、5令幼虫、同威嚇ポーズ(アラカシで飼育中)。

ー追記(2005年4月16日)ー
トビネシャチホコ幼虫は3令、4令、5令が大半となった。アラカシ、アベマキ、コナラ、いずれの食草でも生育は順調である。4令以降、脅かすと威嚇ポーズを取るようになった。幼虫死亡率も低く、順調すぎてかえって恐ろしい気がする。中臣謙太郎氏が「樹と生きる虫たち」(1993 誠文堂新光社)で書いておられるように、トビネシャチホコの幼虫はシャチホコガとしては平凡な形態で、地味な幼虫である。幼虫飼育が楽な分、蛹化がむづかしいのではないかと、今から心配である。

ー追記(2005年4月20日)ー
今夜、トビネシャチホコ幼虫が摂食を停止し、収縮しはじめたので、あわてて蛹化の準備をした。ここ数日間の食べ方はすさまじく、休む間なく食べ続けるという感じだった。どんな蛹化を取るのか興味しんしん。

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Comments

Phasmidさん,今晩は。
いよいよですね。嬉しいです。
ところで,飼育は初体験なもので教えてください。
どの段階で,砂を用意すればいいのですか?
砂はどんな感じのものがいいのでしょう?
どのくらいの湿り具合とか,敷く厚さもなどもご教授ください。
よろしくお願いいたします。

Posted by: yohbo@対馬 | April 21, 2005 09:19 PM

他の幼虫は別容器に移し、トビネシャチホコだけにした方が良いと思います。特産種は普通種と競合させると、普通種にこみやられます。私のところも、少なくともシャクガ科2種、ヤガ科2種の幼虫が与えた新芽の中にいたので、排除しました。

            

Posted by: | April 09, 2005 11:15 PM

こんにちは…。

飼育の大変さがチョットだけですが,分かった気がしました。
トビネの幼虫に混じって黒っぽい似たような奴がいるんですが,排除した方がよいのでしょうか?やや,尺取り虫っぽい動きをします。

Posted by: | April 09, 2005 03:39 PM

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