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May 24, 2005

モルフォチョウの碧い輝き 光と色の不思議に迫る

morpho阪大の木下修一さんがモルフォチョウの構造色の本『モルフォチョウの碧い輝きー光と色の不思議に迫るー』を上梓された。私はこの本をずっと待ち望んでいたので、ふだん滅多に個人的な話をしたことの無い同僚にまで、「構造色の本が出ましたよ」と声をかけてしまった。ギンギンに仕事モードの同僚は、けげん顔で「えっ、構造色って何?」。「モルフォチョウの構造色ですよ」と私。「ふうん、そんな本あるの?」。どうやら構造色って、まだまだ認知度が足りないらしい。

ところで、モルフォチョウの構造色については、日産の田畑洋さんの研究グループによる優れた研究も既にある。しかし、企業研究という制約上、特許申請前に研究内容を学会誌上で発表できず、成果は遅れて公表されるきらいがある。内外特許庁のHPから公開分をダウンロードしても、特許関連事項が多過ぎ、昆虫愛好者には読み辛いのが残念だ。

木下さんの本は大変面白い。青く輝くモルフォチョウの翅の発色機構を物理学的アプローチによって解き明かそうとしている。平易な言葉で書かれているが、内容は質が高く、読みごたえがある。既に論文、論著、講演などで知っていることばかりであるが、こうして1冊の本にまとめられると、ポイントが明確になり、理解がさらに深まるような気がする。また、木下さんが「数式まかりならん」という編集方針に迎合せず、第2章で数式を用いて構造色理解に必須の光の基礎知識をわかりやすく解説してくれたのは物理音痴の私にはかえってありがたい。こんな本が私の高校時代にあったなら、ひょっとしたら別の道を歩んでいたかもしれない。そう思わせるような美と理が融合した楽しい本だ。

【題名】モルフォチョウの碧い輝きー光と色の不思議に迫るー
【著者】木下修一
【出版】化学同人
【発行】2005.05.30
【ISBN】4-7598-0996-1
【判型】四六判・220頁
【価格】1,890円 (税込)
【目次】
序章  碧い輝きの誘惑
第1章 モルフォチョウってどんな蝶?
第2章 光と色の世界
第3章 碧い輝きの秘密
第4章 さまざまな構造色
第5章 まばゆさに包まれた暮らし
第6章 輝きの向こうに

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