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June 07, 2005

ルオーの丘とエルタテハ

先週末甲斐駒ケ岳が見える山梨県へ旅に出た。こんな天候不順な時期にわざわざ山を見に行くとは酔狂だと思われるかもしれないが、これにはちょっとした経緯があって・・・・80歳になる母は甲斐駒ケ岳に格別の思いを抱いている。それは母の兄が「甲斐駒ケ岳ぎりぎりに田水張る」という俳句を残したからである。ところが、母はこの年になるまで甲斐駒ケ岳と木曽駒ケ岳を同じ山だと思っていたらしい。駒ケ岳なる山があって、木曽側、甲斐側で呼称が異なると思っていたそうな。こんな天然ボケの母には地図で説明するより、甲斐駒ケ岳を実際に見てもらおう、そう思って計画した旅である。この俳句に詠まれているように甲斐駒が見える場所があるのかどうか悩ましいところであったが、ニフティの「山の展望と地図のフォーラム」で質問したところ、EOSさんから絶景ポイントをお教え頂いた。EOSさんに感謝!

名古屋を朝早く発った私達は中央道をゆっくり走り諏訪湖SAで昼食を楽しんだ後、諏訪大社本宮を訪れて甲斐駒がよく見えるようにご神体のお山を参拝。それからオオムラサキの里として有名な北杜市長坂町へ。穏やかな田園地帯と美しく聳え立つ甲斐駒ケ岳の眺望が得られるはずであったが、あいにく山嶺は雲で覆われてうっすらと甲斐駒と鳳凰三山のシルエットが見えるだけであった。

atelierやむなく甲斐駒展望をあきらめ、同町にある清春芸術村に立ち寄った。武者小路実篤、滋賀直哉、梅原龍三郎らの白樺派の作家達が夢見た美術館を清春尋常小学校跡地に建設したもので、敷地内にはアトリエ「ラ・リューシュ」、清春白樺美術館、ルオー礼拝堂、梅原龍三郎のアトリエ、レストラン「パレット」、庭には洒落た彫刻が幾つか置いてある。小さなルオー礼拝堂はパイプオルガンの荘厳な音色が響き、壁面にはルオーのモノクロリトグラフ、明かり窓にはルオー製作のステンドグラスが嵌め込まれていた。美術館に展示されているセザンヌ、ロダン、ピカソ、ルオー、武者小路実篤、梅原龍三郎の作品はいずれもセンスの良いものばかり。特にジュルジュ・ルオーの作品は充実していた。また、同人誌「白樺」のバックナンバーがショーケースに展示されていた。作品数はそれほど多くないが、白樺派のイメージを確かな目で膨らませたコレクションであった。

l敷地内にはシラカバが多く植えられ、赤いレンガ張りと調和してとてもお洒落だった。青々としたシラカバの葉をぼんやりと眺めていると、なんとエルタテハ終令幼虫が葉上に台座を作っているではないか!思いがけない発見ですっかり眠っていた虫屋魂が突如甦り、私は別人のように嬉々としてエルタテハ幼虫探し。おかげで幾頭か見つけることができた。エルタテハ幼虫はシラカバの垂れ下がる雄花にそっくりだった。ついでに水路にキアシドクガ終令幼虫が落ちていたので、拾いあげた。これまでにも木曽駒高原や御岳高原のシラカバやバッコヤナギでエルタテハの幼虫を観察したことがあるが、ルオーの絵画を見ながらの幼虫観察は最高だった。

写真:清春芸術村のラ・ルーシュとエルタテハ終令幼虫 2005年6月4日撮影

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Comments

Apisさん、私のブログへようこそ!

エルタテハの蛹の写真は、@nifty昆虫フォーラム「鱗翅広場」にはアップしたのですが、このブログではまだでしたね。それでは後ほどブログにもアップします。

Posted by: Phasmid | June 14, 2005 07:10 PM

Phasmid様、Apisと申します。
エルタテハの幼虫は蛹化したのですか?どんな蛹なのか見てみたいです。

Posted by: Apis | June 14, 2005 05:28 PM

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