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July 27, 2005

雨の日のアオスジアゲハ

aoeggaosujil1aosuji昨日は台風の影響で当地も朝から雨が降ったり止んだり。最近私の休みの日に限って天候が崩れるような気がする。雨の日に家に居ても気がふさぐので、帽子をかぶってデジカメ片手に外へ飛び出した。ぼんやり歩いていると、葉間に青緑色のつややかな幼虫の姿。体長20mmぐらいだろうか。アオスジアゲハ中令幼虫だった。よく見ると僅か40cmほどの高さのクスノキの幼木に3頭の幼虫が寄生していた。生垣の陰になっていて、直射日光が当たらない場所だった。アオスジアゲハも真夏は涼しい木陰で過ごしたいに違いない。

晴天の日は太陽光に照らされてクスノキの葉が光るため幼虫は見つけにくい。雨の日は葉が光らないので、かえってよく見える。気をよくして、同じような条件下にある他のクスノキも探したらところ、アオスジアゲハ成虫が木の周りを飛んでいた。これは?と思い、葉をめくると葉裏には卵が産付されていた。横の葉には脱皮寸前の1令幼虫と、もう少し令数の進んだ幼虫(2令?)が2頭いた。成虫、卵、幼虫が同時期に確認できた。

aosujia今朝出勤前に急いでブログを書き、職場へ行ったところ、入口付近にアオスジアゲハが飛んで来た。しきりに口吻を地面に差し入れている。どうやら地面にしみ込んだ雨水を吸っているらしい。あわててデジカメを取り出し、シャッターを押した。なんとか写っていたので、今朝見た成虫の写真を追加。


写真:アオスジアゲハ卵、初令幼虫、中令幼虫  2005年7月26日 名古屋市で撮影
    アオスジアゲハ成虫              2005年7月27日 同上

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July 26, 2005

木曽駒高原の昆虫(1)

kiageha長野県の木曽駒高原へ先日行って来た。ウスグロマダラという地味なマダラガの行動観察が目的であったが、なんと生息地が消滅していた。ウスグロマダラは年1化性の湿地性蛾類で、山地のやや薄暗い湿地に6月下旬から7月に出現する。木曽駒高原の生息地は道路改修によって周辺が乾燥化してしまい、ウスグロマダラは言うに及ばず、他のチョウ類も激減していた。あまりのショックで意気消沈、そこへ以って気が滅入る事が相次ぎ、しばらくブログも休むことになってしまった。その間、画像と幼虫だけは増えたので、また追々紹介したい。


toraga4木曽駒高原では多数の昆虫を観察した。昆虫の生息密度が高いため、見ようとしなくとも自ずと虫が目に入り、デジカメのSDカード2枚分を瞬く間に撮影し尽くしてしまった。ちなみに私のデジカメはリコーのCaplio GX。しっとりした芸術的な写真は撮れないが、小型で接写に強いのがありがたい。幼虫もたくさん撮影したが、セリを摂食中のキアゲハ終令幼虫(上)、シオデに寄生するトラガ終令幼虫の無黒斑型(第1腹節背部の黒紋が未発達)(中)と同じくシオデ食いのモモイロツマキリコヤガ終令幼虫(下)の3種をアップしたい。

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2005年7月17日 長野県木曽郡日義村で撮影

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July 15, 2005

ダキバアレチハナガサを訪れる虫たち

Verbena自宅裏の河川敷には、Verbena incompta ダキバアレチハナガサが所々見られる。 クマツヅラ科に属する南アメリカ原産の帰化植物とのことで、茎には剛毛があり、直線的な力強さを感じさせる野草である。淡紫色の小さな花が6月から9月にかけて咲く。乾いた河原や造成地、道路脇などに生えていることが多いが、遠くから見るとそれなりの風情もあり、嫌いではない。

verbena2今朝散歩していたら、昆虫達がダキバアレチハナガサの花に寄って来た。ヒメハラナガツチバチやニホンミツバチは花粉を集めているのか、それとも花蜜を集めているのかはよくわからないが、何度も花を変えては花の中へ口器を入れているようだった。クサアオカメムシ(恐らく5令幼虫)は、花の陰に隠れているらしい。葉に触ると葉裏に逃げるが、すぐまた同じ位置に戻って静止する。背腹の模様は淡紫色の花に溶け込み、その姿は目立たない。クサアオカメムシには色覚があるのだろうか?

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           写真:2005年7月15日   名古屋市で撮影
           (上) ヒメハラナガツチバチ
           (中) ニホンミツバチ
           (下) クサアオカメムシ5令幼虫(令数は推定)

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July 14, 2005

八ヶ岳南麓めぐり(後編)

tsunoao夜中にバンバンと叩きつけるような激しい物音がするので、目が覚めた。屋根を打ちつける雨音だった。昨日は思いのほか好天だったが、今日は一日中雨だなと思い、再び深い眠りに。午前7時起床。朝食の準備を済ませた後、雨が小止みになったので、母と一緒に付近を散策することにした。コテージのすぐ前のミズナラを見ると、葉にスズキシャチホコの終令幼虫がいた。珍しい種ではないが嬉しい。ついでササの葉上に夜露に濡れた青緑色のツノアオカメムシが輝いている。これも高原では普通種だが、いいものだ。ふと横を見ると、ザトウムシ(イラカザトウムシ?)がアリを捕食している。いつ見ても面白い姿をしている。どうせ今日は雨だからと、ゆっくりして午前11時にチェック・アウトする。


zatoところがフロントを出たとたんに雨が止み、日が差し始めた。そこで甲斐小泉駅の方へ降りて、15年前にヒメシロチョウやベニモンマダラ幼虫を採集したことのあるポイントへ寄ってみた。そこは外来植物が繁茂して、クサフジはわずか数本見られる程度だった。確か1991年に再訪した時、宅地造成されて赤土がむき出しになっていた。跡地はその後の長い不況のためにそのままになっていたが、植物相はすっかり変わっていた。これでは、クサフジを食餌植物にするヒメシロチョウやベニモンマダラの生息は困難である。あきらめて、近くのコナラを見ると葉裏にクロテンシャチホコ幼虫が静止している。珍しいシャチホコではないが、少なくとも自宅周辺では見られない種である。kuroten

もっともっと虫探しをしたかったのだが、同行の家族の意向もあってJR小海線にほぼ平行した道を走ると、「パイの家エム・ワン」という看板が見える。良さそうな店なので入ってみると、アップルパイもゼリーもジャムも見るからに美味しそうな顔をしている。試しに買ってみたら、いずれも絶品。特にアップルパイは値段も安く、パイ地がしっとりと柔らかくアップルがぎっしり詰まっていた。良い土産が手に入って機嫌を直したところで、そろそろ昼食を何処かで取ろうということになった。といっても、いつも行き当たりばったりで、およそ計画性の無い私には全く心当たりが無い。そうこうしているうちに天女山入り口近くまで来てしまう。すると、たくさんの車が駐車している店がある。ふうん、これだけ人が集まるのだから、いい店かもなあ。まあ、覗いてみよう。特に綺麗でも新しいわけでもないが、妙にくつろげる雰囲気の店だ。テラスでゆっくりとお茶を飲んでいると、聞き覚えのある声がする。よく見るとテラスの端にいるのは自然番組でおなじみの柳生博さんだった。知らずに入ったのだが、柳生さんの経営する「八ヶ岳倶楽部」だったらしい。テラスにはヤマキマダラヒカゲ、ジャノメチョウ、ギンボシヒョウモンが飛び交い、大変楽しい処であった。

心和む場所でゆっくり過ごした後、清里の清泉寮へ寄ってみた。清泉寮は平日とは思えないほど人が多かった。ソフトクリームを食べながら庭園を散歩すると、ノリウツギの花にクルマスズメ、アカバキリガ、カバキリガの幼虫がいた。こんな普通種はありがたくないが、コエゾゼミは嬉しかった。パン工房へも立ち寄り、ミルクパンとオリーブの実が入ったパンを買った。ミルクの味が濃厚で、もっと買えばよかったと後悔するほど美味しいパンだった。空は晴れわたり、爽やかな風が心地よいので、帰りがけにまきば公園へ。牧場が一望でき、広大な八ヶ岳の裾野を満喫した。

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八ヶ岳高原道路を走る途中、昆虫採集に良さそうなポイントはないかと思ったが、チョウが飛んでいる絶好地は駐車しにくく、なかなか思いどおりにいかなかった。時間は午後4時をまわっていたが、まだ明るかったので、駐車しやすい場所で止まり、林道へ入ってみる。ヤマボウシがあるなと思ったら、アゲハモドキが飛び出す。クリの花の周りをヒロバトンボエダシャクが群飛している。近くには食餌植物のツルウメモドキがあった。その枝にはツガカレハの雌雄が向かい合って交尾中だった。ミズキもあったが、そこそこの食痕で、丸坊主というようなことはなかった。山梨県北杜市の雑木林にはミズキが所々に見られるが、キアシドクガが大発生したような形跡は私が見た限りでは無かった。八ヶ岳高原は昆虫の生息密度が高く、自宅周辺とは違ってすぐ昆虫が見つかる。植物も多様で面白い。このままずっと高原で虫さんと遊びたいなあと思い、家へ帰りたくない気分だった。

写真:2005年7月12日 山梨県北杜市大泉町谷戸で撮影
     上: ツノアオカメムシ      
      中: ザトウムシ
     下: クロテンシャチホコ幼虫
        交尾中のツガカレハ

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July 13, 2005

八ヶ岳南麓めぐり(前編)

akaheri7月11-12日八ヶ岳南麓へ家族で出かけた。広大な八ヶ岳麓をぶらっと周り、のんびりと過ごすのが目的だった。天気は曇りのち雨。まっ、雨の日は戸外の方が気分転換にもなるというもの。雨の旅もまた面白い。車は中央道を制限速度以下でゆっくり走り、途中のPAやSAには頻繁に立ち寄った。恵那SAでは、ツマグロヒョウモンやジャノメチョウを目撃した。

shimotsuke諏訪湖SAで軽く昼食を取った後、諏訪南ICから出る。右折すると入笠山方面だが、曇天なので左折して原村方面へ向かう。原村を訪れるのは15年ぶりだが、交差点の地名には記憶があった。道は随分良くなっていて、周りの環境も相当変わっていた。八ヶ岳美術館への道ズームラインを走っていると、太陽が照りだし、ヒョウモンチョウがひらひらと横切るので車を止める。そこは渓流沿いの小道で、シモツケ、ヤマオダマキ、オカトラノオなどの花が咲き、スジボソヤマキ、コミスジ、ミドリヒョウモン、ギンボシヒョウモン、ウラゴマダラシジミ、クロアゲハ、ジャノメチョウ、クジャクチョウが乱舞していた。写真を撮りたかったが、動きが早く一枚も撮れなかった。葉上を見ると、マドガ、アカヘリカメムシ、オオヘリカメムシ、ヒメギス幼虫、ノシメトンボ、おまけにニホンアマガエルまで止まっている。うーん、虫影が濃い。夢中になって虫を追っているうちに、ふと気づくと午後3時近くになっている。

madogaあわてて八ヶ岳美術館へ。ここは3回目だが、庭園が美しくのびやかな気分になる。シモツケ、アヤメ、ヤマオダマキ、オカトラノオの花が美しい。来館者は平日ということもあって私達だけ。特別展は 「岡田美佳 刺繍画の世界展」(8月末まで)。糸の風合いと温かみを生かしたセンスの良い刺繍絵で、刺繍好きの私には大変楽しい特別展だった。この後近くの八ヶ岳中央農業実践大学校の直売所で、牛乳、卵、アイスクリームなどを買い、八ヶ岳泉郷のコテージへ。前回は館内レストランで夕食を取ったが、今回は材料を買って自分で作ることにした。私は料理下手だが、ありあわせの少ない材料で豪華に見える宴会風盛り付けや演出には自信がある。お酒は地元の「七賢」。夕食は2時間以上かけてゆっくり楽しむ。ヒグラシの鳴声が聞こえ、いつの間にか窓にエゾハルゼミが飛んで来ていた。

食後は小雨の中懐中電灯片手に別荘地内を灯火周りする。既に消灯しているコテージが多く収穫は少なかった。蛾はシロシタホタルガやオオミズアオぐらい。ライトが明るい入口付近へ来た時、大型鱗翅目昆虫が下の方を飛んでいる。何かと思ったら、ボロのツマグロヒョウモン♀だった。辺りは一面パンジーの花壇。標高約1000メートルの高原のツマグロヒョウモンも今更ながら驚きだが、夜間それも雨中ライト下で飛ぶとは思ってもみなかった。

写真(上)アカヘリカメムシ 2005年7月11日 長野県諏訪郡原村で撮影
   (中)シモツケ       同上
   (下)マドガ        同上

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July 09, 2005

ショウリョウバッタを捕らえるナガコガネグモ

shoryoこのところチャイロムシヒキやらシオヤアブの捕食シーンばかりを目撃すると思っていたが、今日はクモの捕食シーンを見てしまった。今朝アップしたキチョウの画像の中で、翅のすぐ背後に白いギザギザの帯が見えることにお気づきだろうか?実はキチョウが止まったシロツメクサのすぐ後方には、ナガコガネグモの幼体が掛けた網が張りめぐらされていたのだ。幸いキチョウは網に掛からなかった。しかし、ショウリョウバッタは運悪く罠にはまってしまった。それも一瞬のことでその素早さといったら!何が起こったのか私も最初は事態が飲み込めなかった。ピョンと飛んだとたんに網の端に引っかかったらしい。
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写真:ナガコガネグモ幼体に捕まるショウリョウバッタ幼虫 2005年7月9日 名古屋市で撮影

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ヒロヘリアオイラガ若令幼虫

hiroheriとうとう大雨になってしまったが、蛾の幼虫なら雨中でも比較的探しやすい。フウ(マンサク科)の葉が枯れて茶色に変色するほど食害されている。葉裏をめくったら、Parasa lepida (Cramer, 1777)ヒロヘリアオイラガ(イラガ科)の若令幼虫が群生していた。また、ポプラの葉裏にも終令幼虫の姿があったが、高いところで写真は撮れなかった。本種幼虫は多食性で、バラ科、カエデ科、モクセイ科、クロウメモドキ科、トウダイグサ科、マメ科、ウコギ科、スイカズラ科、カキノキ科、クスノキ科、ブナ科、モクレン科植物などが記録されている。自宅周辺では、ナンキンハゼ、アカメガシワ(以上トウダイグサ科)、エンジュ(マメ科)、サンゴジュ(スイカズラ科)、カキノキ(カキノキ科)、カナメモチ、ソメイヨシノ(以上バラ科)、クスノキ(クスノキ科)、マテバシイ(ブナ科)、フウ(マンサク科)、ポプラ(ヤナギ科)に本種幼虫が寄生する。老熟すると褐色の繭を食樹や付近の樹木の根際近くの幹、フェンス、コンクリート塀などに造る。繭は樹皮によく似た色彩で樹皮の一部のように見える。

本種は現在でこそ全国各地で見られるが、もともとは中国、インド、セイロンなどに分布する蛾で、日本で最初に記録されたのは1921年鹿児島市であった。その後1960年に同市で再発見された。恐らく移入植物に付いて日本に侵入したものらしい。その後しばらく鹿児島付近で採集される珍品だったらしいが、1979年頃より九州各地や関西諸都市、岡山県玉野市、倉敷市、静岡県浜松市付近、愛知県の一部に分布を拡大した。本種はナンキンハゼなどの街路樹や庭木の移動に伴い分布拡大をしたらしい。この間の経緯については、宮田(1981, 1983a, 1983b)に詳しいので、関心のある方はご覧いただきたい。

写真:フウの葉を舐食するヒロヘリアオイラガ若令幼虫 2005年7月9日 名古屋市で撮影

文献:
宮田 彬(1981)  ヒロヘリアオイラガについて, 二豊のむし (6):21-23
宮田 彬(1983a) ヒロヘリアオイラガの日本最初の産地Tosoについて. 二豊のむし (8):58
宮田 彬(1983b) 蛾類生態便覧(上) 138-139pp. 昭和堂印刷出版

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雨の合間のキチョウ

kicho今日は雨が降ったり止んだりである。少し小降りになったのを見計らい、裏の河川敷へ出てみた。川風が心地よく感じられる。昆虫達は体に直接雨水がかからないように下草の間や葉裏に上手に身を隠しているから、雨の日は見つけにくい。それでも何か見つかるかもしれないと思って歩いていると、キチョウがひらひらと飛んで来て、足元のシロツメクサの花に止まった。晴天の日なら近寄っただけで逃げられるところだが、雨天のおかげで動きが鈍い。警戒して口吻を伸ばし吸蜜することはしなかったが、じっとしていてくれたので、キチョウの姿をカメラに収めることができた。

普通種だが、繊細で可憐なチョウだ。小川未明の童話『月夜と眼鏡』は、傷を負ったキチョウが髪の長い美少女に変身し、親切なおばあさんのもとを訪れる月夜の晩のお話である。キチョウはこの幻想的な物語に似つかわしいチョウである。幼虫の食餌植物はネムノキやハギ類などのマメ科植物。名古屋市郊外の里山ではネムノキで幼虫が見つかるが、自宅周辺ではネムノキが少ないこともあってか、メドハギを主要な食餌植物にしている。

2005年7月9日 Eurema hecabe hecabe (Linnaeus, 1758)キチョウ 名古屋市で撮影

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アブラゼミ初見

abura羽化したばかりのセミが見たくて今朝は早起きした。いつもの観察コースを周ってみたが、クマゼミとアブラゼミの新しい抜殻は見つかっても、肝心の成虫の姿は見当たらない。成虫が見つからないのは、まだ発生数が少ないせいなのかな?と思いながら歩いていると、小学校のコンクリート塀の下の方に羽化したばかりのアブラゼミを見つけた。アブラゼミは塀の背景色にすっかり溶け込んで目立たない。そのおかげで、目ざといスズメやムクドリの目を逃れたのだろうか。
Graptopsaltria nigrofuscata(MOTSCHULSKY, 1866) アブラゼミは自宅周辺では7月から9月にかけて最もよく見られるセミだ。アブラゼミの鳴声は7月5日午前中に今年初めて聞いたが、クマゼミの鳴声は今しがた(7月9日午前7時34分)に初めて聞いた。いよいよ夏の暑さも本番に入りそうである。

写真;アブラゼミ 2005年7月9日 名古屋市で撮影

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July 08, 2005

アベリアで吸蜜するイチモンジセセリ

職場の外へ出たとたん、熱気が襲ってきた。仕事中はクーラーがきいていたので気づかなかったが、今日は暑かったらしい。こんな日は昆虫だって涼しい木陰で一息つきたいに違いない。家へ戻る前にちょっと昆虫の様子を見たいと思い、寄り道をしてみた。そこはいつもの観察コース。木陰でアベリアの花がいっぱい咲いている場所で涼しい風が吹いている。昆虫達は木陰から木陰を飛んではアベリアの花で吸蜜していた。アゲハ、アオスジアゲハ、ツマグロヒョウモン、オオスカシバ、ホウジャク、クマバチ、シオヤアブ、セイヨウミツバチ、セグロアシナガバチなどだ。ホウジャクの個体数は10月には比較的多いが、今の時期は少ない。飛んでいる時に腹端が白く、後翅が赤褐色なので、他のホウジャク類(たとえばホシヒメホウジャクやヒメクロホウジャク)と区別できる。ホウジャクには逃げられてしまったので、残念ながら写真は無い。

ichimonjiそのかわりといっては何だが、Parnara guttata guttata(Bremer&Grey、1853)イチモンジセセリが吸蜜に訪れたので、その写真を添付する。イチモンジセセリはありふれた普通種だが、6-7月の個体は案外少ない。自宅周辺では6-11月まで見られる。9月が一番個体数が多く、11月になると極端に少なくなる。移動性が高く、秋に集団移動するところがよく目撃されている。

写真:イチモンジセセリ 2005年7月8日 名古屋市で撮影

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July 07, 2005

キョウチクトウを食べるシロマダラノメイガ

shiromadaralshiromadara2今朝キョウチクトウの葉を見ていたら、一枚の葉に蛾のシルエットが映っている。どうやら葉裏に蛾が止まっているらしい。葉を少しづつ動かして裏を見ると、白地に茶色の模様がある小さなノメイガがいた。Glyphodes sp.シロマダラノメイガ(ツトガ科)である。年2回の発生。幼虫はガガイモ(ガガイモ科)やキョウチクトウ(キョウチクトウ科)を摂食。自宅周辺では毎年6月頃と9月頃に出現する。なお、本種の学名はまだ定まっていない。adult

写真:シロマダラノメイガ終令幼虫(2000年7月9日)と老熟幼虫(2005年7月5日) 
   同種成虫 2005年7月7日 名古屋市で撮影

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ハチに擬態するヒメアトスカシバ

pernixgall今朝近くの小学校の側を通った時、フェンスの向こうにNokona pernix (Leech)ヒメアトスカシバが止まっているのに気づいた。自宅周辺ではごく普通に見られるスカシバガだが、ハチそっくりの姿にはいつも心躍る思いがする。成虫は6月下旬から7月上旬と9月にも出現する。幼虫はヘクソカズラ(アカネ科)の茎に虫えいを造り、終令幼虫のまま越冬する。虫えいは学校のフェンスや生垣にからまったヘクソカズラで見つけることができる。

日本産のSesiidaeスカシバガ科は現在のところ39種記載されている。日本産スカシバ科については講談社の日本産蛾類大図鑑ではなく、むし社から出ている有田豊・池田真澄(2000)『擬態する蛾 スカシバガ』の方を参照してほしい。約1000種記録されている世界のスカシバ科に関しては、下記が網羅的でお奨めである。
Clas M. Naumann ed.,1999 "Handbook of Palaearctic Macrolepidoptera Vol. 1 Sesiidae-Clearwing Moths"(GEM)
なお、幼虫がクチナシに寄生するオオスカシバはスズメガ科の1種で、スカシバガ科には属さない。

写真:2005年7月7日 ヒメアトスカシバ成虫と同種虫えい 名古屋市で撮影

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July 06, 2005

ヤマイモハムシ

yamaimo自宅裏の河川敷にはヒメドコロ(ヤマノイモ科)が多数見られるが、この時期いつも葉は虫に喰われて穴だらけだ。この食痕の主こそLema honorata Balyヤマイモハムシ(ハムシ科)である。体長5-6mm、頭部と前胸背が赤色、上翅が光沢のある青藍色。なかなか綺麗なハムシだが、古くからヤマノイモの害虫として知られている。年1化、成虫越冬で、6月ごろからヤマノイモ科植物を食害する。7-8月産卵、幼虫は7月ごろより現れ、成虫、幼虫ともに葉を食害する。新成虫は8月より出現し、越年するらしい。

参考文献:高橋雄一(1948)『実験防除 農業害虫篇』養賢堂
       林匡夫・森本桂・木元新作(1984)『原色日本甲虫図鑑(IV)』保育社

写真:ヤマイモハムシ 2005年7月5日 名古屋市で撮影

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ヒメホソアシナガバチ

varia昨日の朝、いつもの観察コースを歩いていると、ヤブカラシの葉上に黄褐色のハチが飛んできた。体長14-5mmほどの見慣れないハチだ。とりあえず写真だけ4枚ほど撮ったが、採集はしなかった。これがそもそも間違いのもとだった。家へ戻って画像を頼りに図鑑を調べ、ムモンホソアシナガバチかヒメホソアシナガバチかのどっちかだと思ったが、標本が無いので同定の決め手に欠ける。ああでもない、こうでもないと迷っているうちに時間切れ。まっ、こういう時は丸一日置けば、何とかなるだろう。という訳で、今日は仕事から帰って夕食もそこそこに図鑑や本とにらめっこ。不思議なもので、昨夜は気づかなった識別点が見えてきて、くだんのハチはスズメバチ科アシナガバチ亜科に属するParapolybia varia (Fabricius)ヒメホソアシナガバチだという確信を深めた。やれやれ。

参考文献:松浦誠(1995)『図説 社会性カリバチの生態と進化』 北海道大学図書刊行会

写真:ヒメホソアシナガバチ 2005年7月5日 名古屋市で撮影

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July 05, 2005

駐車場のツマグロヒョウモン

tsumag75今朝駐車場へ行ったら、アベリアの生垣にツマグロヒョウモン♀が飛来した。雨が上がったばかりでまだ体温が低く動きが悪かったのだろうか。カメラを近付けても逃げずにいてくれたので、かなり接近して撮影できた。撮影中に車が接近してきて(駐車場だから車の出入りが多いのは当然のことだが)、ツマグロヒョウモンは飛び去ってしまった。カメラをしまったところ、今度はすぐ近くのアベリアにクロアゲハが吸蜜に訪れる。デジカメを合せているうちにすぐ飛び去ってしまい、遠くからの写真しか撮れなかった。クロアゲハは次回にして、今日はツマグロヒョウモン♀の写真だけアップする。こうして見ると、ツマグロヒョウモンはすっかり街角のチョウになってしまった観がある。

2005年7月5日 ツマグロヒョウモン♀名古屋市で撮影

アベリアに寄るツマグロヒョウモン

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ツユムシ

tsuyu早起きのおかげで、今日はPhaneroptera falcata Podaツユムシ(キリギリス科)の写真を撮ることができた。自宅周辺では一番普通に見られるツユムシだが、天気の良い日は敏捷で少し近づくとピョンと飛ばれてしまう。今朝は時間帯が早かったので、オオブタクサの葉上でじっと動かないでいてくれた。尾端が鎌形なので♀らしい。

自宅周辺には本種のほかにDuceita japonica ThunbergセスジツユムシとPhaneroptera nigroantennata Brunnerアシグロツユムシが生息する。Shirakisotima japonica Mtsumura et Shiraki ホソクビツユムシは名古屋市北部に生息する。

2005年7月5日 名古屋市で撮影

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キボシトックリバチ

kiboshittrilobus今朝は早起きをしていつもの観察フィールドを廻ってみた。その甲斐あってか、収穫はたくさんあった。Early Birds Catch Worms. 未だにこんな古めかしい諺がすぐ思い浮かぶとは、受験英語のトラウマもかなり深刻である。高校の英語の試験に「郷にいりては郷に従え」を英訳せよ、という問題があった。 正解はWhen in Rome, do as Roman do. いつも授業では逐語訳で教えているくせに、こういう時だけ大胆に意訳せよというわけだ。模擬試験では、サマーセット・モームの"Summing Up"の一節の和訳を出題し、それを英訳せよ、と。出題者は予め「模範解答」がわかっているからいいが、高校生にモームと同じ名文が書ける訳がない。今思っても腹が立つ話である。

余談はさておき、今朝出会った虫はEumenes fratercula Dalla Torreキボシトックリバチ(スズメバチ科)である。Cocculus trilobus (Thunb.) DC アオツヅラフジの花に寄っていた。体長12-3mmであろうか。小さいので近似種キアシトックリバチかなとも一瞬思ったが、小背板に一対の黄紋があるから、キボシトックリバチと思われる。トックリバチの仲間は下草や生垣、石の上に乾いた土粉を唾でこねた練土でとっくり型の巣を造る。母蜂は巣内に産卵した後、孵化する幼虫のために巣内に鱗展目昆虫の小型幼虫を多数貯蔵し、巣の入り口に蓋をする。本種の生態については、岩田久仁雄(1974)『ハチの生活』(岩波書店)に詳しい。子供向けの本だが、こと昆虫に関する限り、子供向けの本は大人向けの本に負けない優れた内容のものが多い。

写真:キボシトックリバチとアオツヅラフジ 2005年7月5日 名古屋市で撮影

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July 03, 2005

ホソヘリカメムシ

hosoheri今朝は大変涼しく、河川敷を散歩していると川面からの風が心地よかった。こんな日は昆虫観察にうってつけ。ついつい長い時間歩いてしまった。いろいろな昆虫を見たが、そのうちの一つがRiptortus clavatus (Thunberg)ホソヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)。セイタカアワダチソウの葉上に静止していた。本種はマメ科(ダイズ、ササゲ、エンドウ、インゲン)やイネ科(イネ、ヒエ、アワ)作物の害虫として知られるが(*1)、自宅周辺ではススキやクズの葉上でよく見かけるカメムシである。敏捷でカメラを向けるとすぐ飛んでしまい、このところ何度もシャッターチャンスを逃がしている。今朝は思いがけず静止していてくれ、撮影できた。

普通種のカメムシだが、野外で見ると大型個体と小型個体がいる。どうもその差は腸内共生細菌の感染の有無に拠るところが大きいらしい。腸内共生細菌に感染した個体の成育は非感染個体に比べて著しい。しかも孵化幼虫には腸内細菌は見られないことから、毎世代2令幼虫期に感染し、感染個体は大型化し、少数ながら感染しなかった個体は小型化するとのことである(*2)。

文献:
1.友国雅章監修(1993)『日本原色カメムシ図鑑ー陸生カメムシ類』全国農村教育協会 
2.菊池義智・ 深津 武馬, 2004. ホソヘリカメムシにおける腸内共生細菌の伝達・獲得様式の解明. 日本進化学会第6回大会ポスター発表)

写真:2005年7月3日 名古屋市で撮影

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ヘクソカズラを後食するアオドウガネ

aodogane朝散歩していたら、ヘクソカズラ(アカネ科)の葉に穴がいっぱい空いていることに気づいた。昆虫の食痕だ。ヘクソカズラにはホシホウジャクやホシヒメホウジャクなどのスズメガ科蛾類の幼虫も寄生するが、葉縁から摂食することが多い。食痕の主を探そうと目を凝らすと、葉表と葉裏にはAnomala albopilosa Hopeアオドウガネ(コガネムシ科)の姿が・・・よく見ると、葉という葉にはアオドウガネがいて、摂食中の個体もいる。イタドリ(タデ科)を後食するのは知っていたが、ヘクソカズラも食べるとは知らなかった。そう思ってふと隣のスイカズラとフヨウに目を向けると、やはり同じように穴があいている。スイカズラ(スイカズラ科)とフヨウ(アオイ科)にもアオドウガネがたくさんいて交尾中のカップルもいた。

写真:2005年7月3日 名古屋市で撮影

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July 02, 2005

ヒメクロイラガ

himekuro今朝散歩をしていたら、遊歩道沿いのヒラドツツジの葉先に茶色の変なものが付いていることに気づいた。立ち止まってじっと見ると、それはなんと蛾であった。前翅長約20mm、茶色の翅を屋根型に閉じ、腹部が太く、房のような下唇鬚が面白い。Scopelodes contractus Walker, 1855ヒメクロイラガ(イラガ科)である。年2化の発生。幼虫はカキの害虫として知られる。自宅周辺ではケヤキ、サクラに付き、ケヤキを丸坊主にするほど大発生したこともある。

写真:ヒメクロイラガ 2005年7月2日 名古屋市で撮影

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カノコガの危険信号

amata2昨日午前6時頃、地面すれすれを黒と黄色の縞模様の昆虫が飛ぶのを見た。一瞬ハチかと思ったが、ハチにしては飛び方がどうも悠長すぎる。よく見ると、それはカノコガであった。Amata fortunei fortunei(Orza, 1869) カノコガ(ヒトリガ科カノコガ亜科)は自宅周辺では年2化。6-7月、9-10月に出現する。今年は6月25日に初見、ここ数日一番よく見かける蛾である。幼虫は黒い毛虫で、食餌植物としてはタンポポ(キク科)、シロツメクサ(マメ科)、トクサ(トクサ科)の記録がある(宮田彬『蛾類生態便覧』)。幼虫越冬で、HP「晶子のお庭は虫づくし」によると、タンポポのほかに越冬時にはダンゴムシやキノコも摂食するとのことである。今年の応用動物昆虫学会大会一般講演でも、タンポポのほかにペットフードを供餌したところ、蛹化率が上昇したことが報告されている(近藤勇介ほか)。このことから本種幼虫は雑食性であることが示唆される。

もっとも肉食やキノコ食は植物食の補助的意味合いが強いのではないかと私は考えている。というのも、カノコガ亜科の1種Amata phegea L. は植物由来のカルデノリド(強心配糖体)(CG)を防御物質として蓄積することが知られている(Rothschild M, Euw JV, Reichstein RT. 1973)。黒色と黄色の派手な縞模様は有毒性を天敵に警告する信号と考えられている。日本産カノコガもphegeaと同様の防御物質を植物から摂取している可能性が高いと思われる。これらの防御物質を植物からの摂取に頼らず、全て自前で生合成する例はマダラガ科、ヒトリガ科を含め蛾類では今のところ報告されていないからだ。

参考文献:Nishida, R. Annual Review of Entomology 2002. 47:57-92

写真:カノコガ 2005年7月2日 名古屋市で撮影

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