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July 09, 2005

ヒロヘリアオイラガ若令幼虫

hiroheriとうとう大雨になってしまったが、蛾の幼虫なら雨中でも比較的探しやすい。フウ(マンサク科)の葉が枯れて茶色に変色するほど食害されている。葉裏をめくったら、Parasa lepida (Cramer, 1777)ヒロヘリアオイラガ(イラガ科)の若令幼虫が群生していた。また、ポプラの葉裏にも終令幼虫の姿があったが、高いところで写真は撮れなかった。本種幼虫は多食性で、バラ科、カエデ科、モクセイ科、クロウメモドキ科、トウダイグサ科、マメ科、ウコギ科、スイカズラ科、カキノキ科、クスノキ科、ブナ科、モクレン科植物などが記録されている。自宅周辺では、ナンキンハゼ、アカメガシワ(以上トウダイグサ科)、エンジュ(マメ科)、サンゴジュ(スイカズラ科)、カキノキ(カキノキ科)、カナメモチ、ソメイヨシノ(以上バラ科)、クスノキ(クスノキ科)、マテバシイ(ブナ科)、フウ(マンサク科)、ポプラ(ヤナギ科)に本種幼虫が寄生する。老熟すると褐色の繭を食樹や付近の樹木の根際近くの幹、フェンス、コンクリート塀などに造る。繭は樹皮によく似た色彩で樹皮の一部のように見える。

本種は現在でこそ全国各地で見られるが、もともとは中国、インド、セイロンなどに分布する蛾で、日本で最初に記録されたのは1921年鹿児島市であった。その後1960年に同市で再発見された。恐らく移入植物に付いて日本に侵入したものらしい。その後しばらく鹿児島付近で採集される珍品だったらしいが、1979年頃より九州各地や関西諸都市、岡山県玉野市、倉敷市、静岡県浜松市付近、愛知県の一部に分布を拡大した。本種はナンキンハゼなどの街路樹や庭木の移動に伴い分布拡大をしたらしい。この間の経緯については、宮田(1981, 1983a, 1983b)に詳しいので、関心のある方はご覧いただきたい。

写真:フウの葉を舐食するヒロヘリアオイラガ若令幼虫 2005年7月9日 名古屋市で撮影

文献:
宮田 彬(1981)  ヒロヘリアオイラガについて, 二豊のむし (6):21-23
宮田 彬(1983a) ヒロヘリアオイラガの日本最初の産地Tosoについて. 二豊のむし (8):58
宮田 彬(1983b) 蛾類生態便覧(上) 138-139pp. 昭和堂印刷出版

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Comments

ちたばさん、コメントありがとうございます。
ヒロヘリアオイラガ幼虫が付いたフウは、私が八ヶ岳高原へ行っている間に枝払いが行なわれたようです。木の上部にはまだ幼虫がいますが、枝払いによりヒロヘリアオイラガの大発生は防除できるでしょう。ヒロヘリアオイラガの幼虫に刺されると、痛いですからね。刺された時はガムテープでそっと刺毛を取り、水で軽く洗い流すと楽になります。タオルで拭き取ろうとすると、刺毛が皮膚に深く入り、かえってよくないとのことです。

Posted by: Phasmid | July 15, 2005 12:58 PM

ぎょえー、イラガ!ヒロヘリアオイラガ!
街路樹からぽたりと首筋に落ちてくるところを想像してしまいました。
こいつも北進、東進してきたんですね。
1960年に鹿児島市で再発見とことは・・・。
道理で私の子どもの頃にはなじみのないやつだと思いました。もっとも、子どもの頃はあまり虫とかにも興味がなかったのですが。
ほんの123㎡の我が家でも、結構虫はいまして、昨年はチャドクガが発生しました。
今朝はスズメバチを見てしまってびびりました。急いでありあわせのものでスズメバチほいほいを作りましたが、時期が遅くてかえって誘引してしまうかと思いながらも設置しました。
虫の方は悪気はないのだと思いますが、やはり刺す虫系はごめんだと思います。

Posted by: ちたば | July 09, 2005 08:29 PM

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