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August 26, 2005

青く輝くタケノホソクロバ

takehosmtakehoso今朝散歩中にササの葉上でタケノホソクロバの成虫を見た。羽化したばかりらしく♂♀ともに新鮮で青く輝いていた。第3化の成虫である。8月23日にも本種成虫2♀と終令幼虫6個体を見ている。名古屋市内では本種は年3回の発生で、成虫は5月下旬-6月中旬、7月、8月下旬ー9月下旬に出現する。第3化の発生は10月にずれ込むこともある。出現期はかなり変則的で、卵、幼虫、成虫、蛹の全ステージが見られる時期もある。越冬態は繭内での前蛹態または蛹越冬である。成虫の大きさは♂の方が♀よりもやや小さい。触角は♂が櫛毛状、♀は棍棒状。この二点を手がかりにすると、タケノホソクロバの雌雄の見分け方は比較的簡単である。

Artona martini Efetov, 1997 タケノホソクロバ(マダラガ科)はタケ、ササの害虫として古くから知られている蛾である。それにしては学名の命名年が比較的新しい。実はこれにはちょっとした経緯がある。1990年代に、タケノホソクロバによく似た蛾でササに寄生するヒメクロバと呼ばれる山地性、北方系の種が生息することがわかってきた。タケノホソクロバには当時Artona funeralis (Butler, 1879) という学名が適用されていたので、ヒメクロバは未記載種であるものと思われていた。ところが、ウクライナのエフェトフ博士が原記載のタイプ標本を精査したところ、意外にもArtona funeralis (Butler, 1879)の正体はヒメクロバであり、タケノホソクロバの方が未記載種であったことが判明した。そこで、新たにタケノホソクロバを命名記載し、Artona martini Efetov, 1997 という学名が付与されたというわけである。

写真:Artona martini Efetov, 1997 タケノホソクロバ♂(向かって左)♀(右)2005年8月27日 名古屋市で撮影
            

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