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August 28, 2005

アリが用心棒のツバメシジミ幼虫

tsubameaシジミチョウ科幼虫はアリと何らかの関わりを持つものが多い。特にゴマシジミ、オオゴマシジミ、クロシジミ、キマダラルリツバメ、ムモンアカシジミの幼虫はアリと深い関係があることが知られている。しかし、これらのチョウは名古屋市のような自然度の低い地には生息しない。オオゴマシジミやキマダラルリツバメの観察をしようと思ったら、最低片道3時間は覚悟しなくてはならないだろう。時間やお金をかけずにもっと気軽にアリと関わりのあるシジミチョウの観察をすることはできないのだろうか?そんな思いを持つものに持ってこいのシジミチョウがいる。ヤマトシジミ、ツバメシジミ、ルリシジミ、ムラサキシジミである。確かに先の5種ほどにはアリとの関係は深く無いが、幼虫時代にアリが常につきまとう生態はなかなか面白い。

今日も何気なく植栽のハギを眺めていると、数頭のカマキリの姿が見られた。カマキリがいるというのはそこに捕食対象となる昆虫がいるということである。何がいるのかと思って探していると、アリがせわしなく行ったり来たりしている。アリの行き先を追ったところ、そこにはツバメシジミの幼虫がいたのである。幼虫の蜜腺からは蜜が分泌されているらしく、アリが多数寄っていた。多数のアリに護られて、ツバメシジミの幼虫は順調に生育するのだ。

アリとチョウとの共生関係については、種別の研究論文や報文は多く発表されているが、これらをまとめた論著が残念なことにこれまで無かった。ところが、先日出たばかりの本田計一・加藤義臣 編『チョウの生物学』(東京大学出版会)の第17章には、「アリとの関係」と題して、アリとの共生関係の論点や研究課題が18ページあまりに要領よくまとまられ紹介されている。お堅い学術書だが、興味のある箇所から読み始めると楽しめる本だ。

写真:ツバメシジミ幼虫 2005年8月28日 名古屋市で撮影

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