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October 06, 2005

クリイロアツバの幼虫

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kuriiro10月1日定光寺でササを摂食する鱗翅目幼虫を数種採集した。最近飼育する幼虫数が増えて手が回らず、詳しく観察しないまま飼育容器に入れて放置してあった。さきほど新しい葉に交換しようと容器を開けたところ、クリイロアツバ幼虫のうち成長の早い個体がもう終令になっていた。まだ若令幼虫が残っているとはいえ、この種は寄生も多くて無事蛹化するものはそれほど多くない。惜しいことをしたものだ。Rivula plumipars Hampson, 1907 クリイロアツバ(ヤガ科)の終令幼虫と蛹は中村正直氏や村瀬ますみ氏によって図示や検索がなされているが、残念ながら若令幼虫に関する言及は無い。

若令は頭部が黒っぽく、体色が黄緑色で一見セセリチョウの幼虫にみえるが、黒色の1次刺毛が発達しているのでクリイロアツバとわかる。中令幼虫は頭部が黒色(厳密には淡褐色の地色に黒斑が広がる)、体色は黄緑色で、第5腹節背上に1対の黄色斑を持つ。体色は1令から亜終令まではほぼ同じ黄緑色で、終令になって初めて美しい縞模様の色彩に変化する。中村正直氏も書いておられるように、亜終令幼虫と終令幼虫の色彩は別種と見紛うばかり違っている。また、中令から亜終令幼虫の第5腹節の黄色斑模様は、まるで寄生された鱗翅目幼虫そっくりである。最初この幼虫を猿投山で見つけた時、私は模様とは気づかず、全部の幼虫から寄生性天敵が羽化するものとばかり思いこんだほどである。

写真:クリイロアツバ若令、中令、終令幼虫(瀬戸市定光寺町産) 2005年10月6、7日撮影

参考文献:
中村 正直(1990)クリイロアツバの幼生期. 蛾類通信 157:101-106
村瀬ますみ(2002)クリイロアツバの幼虫. 蛾類通信 217:324

 

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