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December 25, 2005

クロスジフユエダシャクのメス

kurosuji122505mkurosuji122505bkurosuji122505cこのところ毎日のようにクロスジフユエダシャクのメスを求めて近くの雑木林へ通っているが、メス成虫を見つけることができないでいた。樹幹にいると思っていたクロスジフユエダシャクのメスがいくら探しても見つからないのだ。これまで他のフユシャクのメスを比較的簡単に見つけていたので、クロスジのメスなど「楽勝」とあなどっていた私も連日の「敗戦」にすっかり弱気になっていた。そこで今日は初心に戻り、何としてでもメスを見つけ出したいと思った。

明るい日差しが入る雑木林に足を踏み入れると、まずクロスジフユエダシャクのオス成虫が地表すれすれのところを飛ぶ姿が目に留まった。これまで何回も見て来たオスの飛翔だが、高く飛ばずに常に低く飛び、枯葉の上や低木の葉上、倒木の上でほんの僅か止まっては林内をゆったりと廻るように飛んでいる。どのオスも同じように飛んでいる。オスが低くしか飛ばないのはメスが低い位置にいるためではないのだろうか?そう考えて林縁の樹幹の低い位置を探したところ、地表から20-30cmの位置でメス成虫3頭を見つけることができた。

クロスジフユエダシャクのメスは翅が退化しているために飛ぶことができない。しかし、脚は発達していて素早く移動できる。体温低下を防ぐ上では、翅が無いか、もしくは小さい方が有利らしい。矢島稔の名著『昆虫誌』(1991, 東京書籍)によれば、本種のメスの歩行停止は-6℃で、これはオスに較べて3℃低い。また、仮死状態になったのは-7.6℃で、オスよりも0.9℃低い。翅を切除したオスは、有翅オスよりも0.3℃「仮死」温度が低いとのことである。ちなみに、本書は中島秀雄『冬尺蛾ー厳冬に生きる』(1996, 築地書館)と並び、日本産フユシャク類の行動に関する最も優れた書でもある。

写真:クロスジフユエダシャク♂、アベマキ樹幹の同種♀、コナラ樹幹の同種♀

クロスジフユエダシャク

クロスジフユエダシャクの乱舞

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Comments

ブトボソさん、こんばんは。

フユシャクのメスは本当に面白い形をしていますね。とても蛾とは思えません。チャバネフユエダシャクのオスとメスとが同種だなんて、交尾しているところを観察しなければ、まずわかりません。今年ブトボソさんはフユシャクを御覧になれなかったとのことですが、フユシャクの仲間には早春出現する種もいますので、来春ぜひご観察ください。フユシャクのメスの翅が退化したメカニズムはまだ解明されていません。メスの翅は短縮してしまったのか、それともヒメシロモンドクガの秋のメス個体と同様、フユシャクのメスの翅は何らかの制御によって羽化時に伸長しないのか、進化を考える上で大変興味深い問題だと思います。

Posted by: Phasmid | December 27, 2005 09:46 PM

Phasmidさん。こんばんは。
私は今年フユシャクを見付ける事が出来ませんでした。♀が幹に張り付いている姿が好きですね。本当に無駄な物は全て排除してしまい、子孫を残す事のみを目的にしたガだと思っています。そういった意味では、進化したガなのでしょうか?

Posted by: ブトボソ | December 26, 2005 08:56 PM

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