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December 18, 2005

枯葉の上で越冬するナミテントウ

namitento昨日の午前中は12月としては珍しいほど晴天だったので、近くの雑木林へ昆虫観察に出かけた。枯葉の堆積した林床や散歩道には柔らかな日差しが入り込んでいた。上を見上げると、アベマキ、クヌギ、コナラ、タカノツメなどの高木上部に残っている葉は色鮮やかな黄色や茶色に染まっていた。コナラの樹幹にはクヌギカメムシの仲間が3個体いた。気門が黒色で無いところから、サジクヌギカメムシかヘラクヌギカメムシのどちらかであると思うが、いずれも♀だったので外形上からは同定できなかった。目視で楽に見つかるほどであるから、この仲間の個体数はかなり多いに違いない。

枯葉を踏み分けながら林内を歩いていると、ヒサカキの葉に枯葉が何枚か付着していることに気付いた。手に取って見ると、枯葉の間からテントウムシの体半分が見えた。デジカメを近づけると動き出し、全体の姿を撮影することができた。テントウムシの鞘翅斑紋には種内変異が多く、同定に悩むことがある。特にナミテントウは遺伝的多型が著しく、大きく分けると「紅型」「斑型」「四紋型」「ニ紋型」の表現型を持っており(佐治寛之 1998『テントウムシの自然史』 東京大学出版会)、その中間型も併せると多様で一見同種とは思えないほどである。また、近似種クリサキテントウとの外形上の識別もむづかしい。クリサキテントウはマツ林に生息し、鞘翅の先端が尖っているとのことである。林内にはマツはあるが、アベマキ、クヌギ、コナラの優先度が高いことや、鞘翅の先端が丸みを帯びているところから、恐らく写真の個体はナミテントウの二紋型と考えて差し支えないだろう。

写真:ナミテントウ「ニ紋型」 2005年12月17日 名古屋市で撮影

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Comments

Phasmidさん。こんにちは。
マイマイガの卵塊の事、地域によって違いがあるのですね。私がカラスを観察している公園では地上から2m以内の高さが多いです。後は看板の隙間とかですね。

鳥のよる捕食はないですが、子供が石で潰したり、枝でほじくったりと鳥に捕食されるよりずっと性質が悪いです。

ご紹介して頂いた本を早速注文してみました。在庫があると良いのですが・・・・・。

Posted by: ブトボソ | December 20, 2005 05:47 PM

ブトボソさん、コメントありがとうございます。当地でもナミテントウは樹皮下や常緑樹の葉を合わせた間に潜って越冬していることもよくあります。桐谷圭治(2001)『昆虫と気象』(成山堂)の「雪をめぐるマイマイガとトリの知恵比べ」という章にマイマイガの産卵場所と積雪量との関連について大変面白いことが書いてありますよ。マイマイガの卵塊は厳冬期の鳥の「非常食」で、積雪量が多い時ほど多く捕食されるのだそうです。鳥も他に食べ物があれば卵塊は食べないそうなので、美味しくないのでしょうね。マイマイガの孵化幼虫は新芽を食べるので、枝先に産卵するのが幼虫のためには有利ですが、鳥の捕食から卵塊を護るためには雪に埋まる下の方が有利です。そこで、雪の降らない地方では枝に、富山のような豪雪地帯では雪の下、北海道の美唄と旭川では4分の1ぐらいの卵塊を下の方に、4分の3を枝に近いところに産卵してバランスを取っているそうです。昆虫は地方個体群によって生態が異なるのですね。

Posted by: Phasmid | December 19, 2005 10:38 PM

Phasmidさん。こんばんは。
ナミテントウは北海道でも枯葉の上で越冬するのでしょうか?私が見つけた越冬テントウは「シロジュウゴホシテントウ」です。なぜか「ヤツガタケトウヒ」の樹皮でしか越冬していません。

他のテントウも同じように樹皮で越冬しているのかも知れませんね。積雪のある地域では枯葉で越冬するのは困難だと思うのですが・・・・・。

ミドリヒョウモンもスミレの近くの木の幹に産卵していました。同じ種の昆虫でも地域によって越冬形態が違うのでしょうか?そう考えると面白いです。

Posted by: ブトボソ | December 18, 2005 09:37 PM

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