キタキチョウの越冬
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今日の名古屋は晴天とはいえ風が強くて肌寒く、昆虫観察に適した天候とは思えなかった。しかし、意を決して午後から近くの雑木林へ行ってみた。昆虫も強風で寒い日には風を避けて暖かい場所に潜んでいるに違いないと思い、雑木林の中でも南向きの窪地を選んで廻ってみた。すると、陽のよく当たる斜面でモチツツジの枯葉に掴まるキタキチョウの姿を見つけた。背後にはコナラの大木があり、風よけになっていた。デジカメを近づけて接写しても、翅を閉じたままの姿勢で微動だにしなかった。キタキチョウは地表から30cmほどの風を受けにくい場所を選んで越冬していたのである。
つい最近まで日本産キチョウは1種と考えられていたが、国際基督教大学の加藤義臣先生らの研究によって昨年「キチョウ」と「キタキチョウ」の2種に分けられた。ニ種は前翅表の縁毛の色彩が異なる。奄美大島以南の亜熱帯域に分布し、ハマセンナなどを寄主植物にする「キチョウ」は前翅表の縁毛が褐色であるのに対して、主に日本本土などの温帯域に分布し、ネム、ヤマハギなどを寄主植物とする「キタキチョウ」は前翅表の縁毛が黄色だという。キタキチョウは琉球列島ではキチョウと同所的に分布するとのことである。これまで慣れ親しんできた縁毛黄色型のキチョウが「キタキチョウ」という和名に変更になったわけである。当分の間は、「あっ、キチョウがいた。」と、「昔の名前」で思わず呼んでしまいそうである。
文献:
加藤義臣・矢田脩(2005)「西南日本および台湾におけるキチョウ2型の地理的分布とその分類学的位置」 蝶と蛾 56(3)
写真:キタキチョウ 2006年1月23日 名古屋市で撮影


Comments
phasmidさん、こんにちは。キチョウは、寒そうですね、でもなかなか賢いではないですか、そういえば、会報に載っていましたね。頭の古い私には未だに「キチョウだ!」などと言ってしまいます。関東支部で偶に加藤義臣さんにはお目にかかることがありますが、元気ですね・・・。
懐かしい名前が出てきたのでつい、コメントを書いてしまいました。昔、京浜昆虫同好会のメンバーになっていましたね・・・。
Posted by: chochoensis | January 24, 2006 at 12:59 PM
CHOCHOENSISさん、こんばんは。京浜昆虫同好会といえば、名だたる老舗同好会ですね。私は京浜昆虫同好会編の『新しい昆虫採集案内』を今も大切に持っていますよ。この本に載っている採集情報は今日でも大変役に立ちます。
Posted by: Phasmid | January 24, 2006 at 08:14 PM