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January 05, 2006

ルリタテハの越冬

ruritateha010506ruritateha010506a今日は晴天だったので、昼頃近くの雑木林を散歩した。林の外側には交通量の多い道路が走っているが、林内は都心とは思えないほどよく保全されている。遠出できない時の昆虫観察には絶好のポイントである。明るい陽が入り込む林縁を落葉を踏みながら歩いていると、それだけでとても爽やかな気分になる。こうした気分の時には昆虫の姿も自ずと目に入りやすい。クヌギの樹幹では今月に入ってからめっきり少なくなったヘラクヌギカメムシや、クロスジフユエダシャクのメス成虫が見つかった。また、アベマキの樹幹では越冬中のルリタテハを見つけた。頭部を下にして翅を閉じて樹幹に静止するルリタテハの姿はものの見事に背景に溶け込み、あたかも樹幹の一部であるかのように見える。なんと素晴らしい隠蔽擬態ではないか。こうした自然の「だまし絵」を見つけるのも冬の昆虫観察の醍醐味のひとつである。

写真:アベマキ樹幹で越冬するルリタテハ 2006年1月5日 名古屋市で撮影

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Comments

ブトボソさん、コメントありがとうございます。ブトボソさんの御推論も十分考えられると思います。8-9月ごろ羽化した成虫が平地へ下り、そこでそのまま越冬し、翌年6月頃交尾して産卵するということも考えられない訳ではありません。欧州のキベリタテハは北海を横切って英国東海岸まで渡りをすることが知られています(C.B.ウィりアムズ著 長沢純夫訳『昆虫の渡り』(1986 築地書館)。昆虫は鳥に較べて翼面積が小さいために高速では自力飛行できず、ギンヤンマのような流線型の翅を持つ種でも最大で時速50km程度で、風を利用して移動することが多いようです(東昭『生物の飛行ーその精緻なメカニズムを探る』1979 講談社ブル-バックス)。また、ものの本によると、タテハチョウの仲間は時速20km内外で飛行するらしいので、キベリタテハの移動距離はかなりなものだと思われます。なお、チョウではありませんが、蛾の移動と低気圧との関連性については優れた論考があります。宮田彬・花宮広務(1983)「遇産蛾ー海を渡る蛾ー(5)(6) ちょうちょう 6巻)で、文一総合出版から出ている宮田彬(1986)『シンジュキノカワガ』にも内容が掲載されています。

Posted by: Phasmid | January 07, 2006 09:53 AM

Phasmidさん、おはようございます。ルリタテハの越冬良いですね。私はチョウの越冬を見つけた事がありません。

キベリタテハで思ったのですが、昨年はキベリタテハが街中の公園でも良く見る事が出来ました。タテハ類は越冬する種ですよね。少し飛躍した考えになるかも知れませんが、一昨年の9月の大型台風の際に風に流されてしまい公園でそのまま越冬、翌春に産卵しその卵から羽化したとは考えられないでしょうか?

キベリタテハの食草は「カバノキ科」なので公園にはたくさんあります。ルリタテハも見られたのですが。キベリタテハに比べると少なかったです。

山から長旅をして来た個体とは思えないくらい翅も綺麗でした。在り得る事でしょうか?キベリタテハの移動距離は全く解りませんが、10k単位で移動するのでしょうか?

野鳥は台風によって流されてしまい珍鳥扱いされる事が多いです。昆虫にもそのような事例ってあるのかなぁ?と思ってしまいました。

Posted by: ブトボソ | January 06, 2006 05:18 AM

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