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April 25, 2006

ツマキチョウ

Shiroshita今日は休みだったので、お昼すぎに名古屋市北部の雑木林へ寄ってみた。新梢が青い空いっぱいに広がり、見上げるだけで気分が爽快になった。マメナシでリンゴハマキクロバの越冬後幼虫を多数観察した後、クロミノニシゴリの若葉につくシロシタホタルの若令幼虫を観察した。シロシタホタルガの幼虫は体長3mmぐらいから8mmほどの大きさであった。1-2令ぐらいだろうか。シロシタホタルガ幼虫の黄、黒、赤色の派手な色斑は「警告色」の役割を果たすのではないかとよく云われる。しかし、若令時の模様は展葉したばかりの食餌植物にも似て目立たず、「保護色」にもなっているようだ。

Tsumaki042506平日のせいか人気も少なく、のびやかな気持ちでポットのコーヒーとクッキーでおやつを楽しんでいると、タンポポ畑の上を小さな白いチョウが飛ぶ姿が目に入った。ひよひよした飛び方だったので、遠目にもツマキチョウであることがわかった。近寄って見ると、ボロボロのツマキチョウの♂だった。4月下旬という時期だから、新鮮な個体を望むほうが無理というものだ。もう今年は見られないと思っていたので、ボロでも嬉しかった。2個体飛んでいて、そのうちの1個体が近くのタンポポで吸蜜しているところをカメラに収めることができた。ツマキチョウがタンポポで吸蜜している最中、セイヨウミツバチが横槍を入れ、即座にツマキチョウは追い払われてしまった。

シロシタホタルガ若令幼虫とツマキチョウ♂ 2006年4月25日 名古屋市で撮影

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矢作川めぐり

Nishihirose先週末、愛知県の矢作川河畔林の昆虫調査の下見のために調査メンバーと一緒に矢作川に沿ってドライブした。矢作川の豊田市西広瀬から旭地区までの約30kmを走るうちに私はしだいに憂鬱な気分になってきた。矢作川周辺にはギフチョウの産地も点在し、昆虫相もかなり豊かな場所が幾箇所もある。しかし、肝心の調査対象地点は河畔林に限定されるために、駐車スペースがあって河原へ下りられる地点は自ずから限定される。ハンノキやヤナギなどの典型的河畔林がまとまって見られる地点は昆虫相も面白いが、残念ながら下へ下りられない。竹林を形成しているような場所も中へ入りにくい。このような限定された場所で昆虫調査をするのは初めてで、正直なところ困りきってしまった。同行のメンバーも全く同じ思いだったようだ。

Yomogiところで、この日の昆虫のお土産はほとんど無い。出発したのが午後3時半過ぎだったこともあったし、良い昆虫採集地は全て通り抜け、およそ昆虫が居そうも無いような地点にしか止まらなかったからである。この日見た蛾はピンボケ写真の蛾のみである。西広瀬で皆と一緒に調査説明を聞いている最中に、私は目の前のササに止まるトリバ科の大きめの蛾を見つけてカメラを向けた。すると、今回の調査の取りまとめ役であるMさんが、「あれっ、何を撮っているの?」と聞く。「うん、蛾を撮ってるの」と答えた瞬間、「あっ、ヨモギトリバだあ!毒瓶、毒瓶!」と、大声をあげる。振動で蛾が逃げるのを必死に追って毒瓶の中に入れてしまったのである。ピント合せする前に獲物をひっさらわれてしまった。これだから、私は他の蛾屋さんと一緒に採集するのは嫌なのだ。プンプン。

写真: 豊田市西広瀬 矢作川河畔
     Hellinsia lienigianus (Zeller, 1852) ヨモギトリバ 2006年4月22日


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April 20, 2006

ミノウスバ御難

Minousuba041806昨日の朝のこと、少し早く職場に着いたので、マサキの生垣に発生中のミノウスバ幼虫の様子を見ようと思って裏庭へ廻ってみた。すると、作業服姿の男性二人がマサキの生垣の前に立っていた。茶色に食害された枝を指差しながら、何やら話をしているようだ。二人の手には市販の殺虫剤があるではないか。これは一大事と駆け寄ると、ミノウスバの幼虫が悶絶しながら糸を引いて滝のように落下している。地面を見ると数百頭はいただろうか。「ああー、ミノウスバが大変・・・成長するのを楽しみにしていたのに・・・」と言うと、「ありゃ、もう噴霧してしまったよ。この虫飼うと、きれいな蝶でも出るのかね」との返事。「秋にきれいな蛾が出るのに、惜しいことした」と、私。「そりゃ、悪かったねえ。世の中には物好きな人もいて面白いねえ。でも、大丈夫だよ。退治しきれるものじゃないから。ほら、まだたくさんいるよ。」と、元気なミノウスバ幼虫を葉ごと持ってきてくれた。「今週は害虫駆除週間になっていて、我々としては放置するわけにはいかんのだよ。」と、申し訳なそうに弁解する。始業前なので、急いでビニール袋に幼虫を入れてもらって立ち去ろうとすると、「じゃあ、供養がわりに大切に飼育してやってね。」 というわけで、20頭余のミノウスバ幼虫を飼育する破目になってしまった。とはいえ、殺虫剤が噴霧されたマサキの葉を与えるわけにもいかない。安全な葉探しに奔走せねばならず、これから先が思いやられる。

殺虫を免れたミノウスバ幼虫(体長約10mm) 2006年4月19日 名古屋市で撮影

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April 18, 2006

クロクモエダシャク幼虫は元気

Kurokumo0418064月9日に書いたクロクモエダシャク幼虫はカイズカイブキを摂食して順調に生育している。13mmだった体長も今や23mmである。幼虫のV字状の斑紋も黒色から白色に変化し、ますますヒノキ科植物の若葉そっくりになってきている。赤褐色の頭部にも白っぽい縦縞があり、枯死した葉に大変よく似ていて目立たない。体を弓なりに丸めて葉を摂食する姿はひよひよの若葉と見紛うほどである。まさに自然の妙である。

写真:クロクモエダシャク幼虫 2006年4月18日 撮影

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April 16, 2006

マメナシを食すリンゴハマキクロバ

Mamenashi4月8日に名古屋市北部の雑木林を訪れた時、マメナシの白い花が満開だった。かなり古い樹で、曲がった樹幹はいかにも風情があった。マメナシは本州中部(愛知、長野、岐阜、三重県)に自生するとされるバラ科植物で、秋に小粒のナシのような実をつける小高木である。よく見ると若葉の先端が食害されていた。葉をそっと開くと、黄緑色の蛾の幼虫が潜んでいたので持ち帰った。この幼虫は体長10mmほどで、ほどなく蛹化した。種名は不明なので目下羽化待ちである。

RingohamakiShokukon今日再度マメナシの樹を見に行ったら、花はほとんど散っていた。棘だらけの枝を手に取って若葉を調べると、その中に体長4-5mmのリンゴハマキクロバの幼虫が潜んでいた。本種は幼虫越冬で、根際などに集団営巣し、春になると新芽に潜りこみ摂食を開始する。その後、葉を袋状に折り曲げ、その中で表皮を残して葉肉のみ食害する。食餌植物はリンゴ、ナシ、サンクランボ、サクラ、アンズ、ウメのバラ科各種だが、マメナシの記録は無かったと思う。

マメナシの花            2006年4月 8日 名古屋市で撮影
リンゴハマキクロバ幼虫と食痕  2006年4月18日 同上

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April 09, 2006

クロクモエダシャク幼虫

Kurokumo先々週の土曜日に鳳来寺山の東照宮参道を歩いていると、生糸をつけた蛾の幼虫が風に吹かれて舞い降りてきた。体長13mmほどで、頭部が赤褐色、体躯が黄緑色、背上各節に特徴的なV字状の黒い斑紋があるシャクガ科の幼虫であった。どこで見たような気がする幼虫であったが、思い出せない。参道付近にはモミジやガマズミなどの広葉樹が多いので、適当な植物を与えれば摂食するだろうと思い、とりあえずシャーレに入れて持ち帰った。ところが、春先の幼虫が摂食しそうな広葉樹各種を与えても、幼虫は移し変えてやった飼育箱のふたに止まったままで、一向に摂食する気配が無い。ふと気づいたら、1週間経過していた。このままでは斃死してしまう。さすがの私も心配になり、幼虫の姿を改めて見直しながら思案しているうちに頭の中を閃きが走った。「これって、ヒノキそっくりだ。きっとヒノキ喰いに違いない。ということは・・・・」急いで講談社の日本産蛾類生態図鑑を開いてみると、そっくりさんの写真(Pl.33 8-9)が目に入った。Apocleora rimosa (Butler, 1878) クロクモエダシャク幼虫のようだ。発生期も若令で越冬するという記載内容もぴったりである。予想どおり食餌植物はヒノキと記されている。しかし、自宅付近にはヒノキが無い。まさか深夜に山へ取りに行く訳にもいかない。すっかり困ってしまったが、ふと思いついたのが生垣に使われているカイズカイブキ(ヒノキ科)を代用食に使うことだった。早速カイズカイブキを与えてみると、これまで決して寄り付かなかった幼虫がすぐ葉先に止まり、大顎を動かしたのである。どうやら摂食するようである。それにしても、蛾類生態図鑑の佐藤力夫先生の記述にもあるように、クロクモエダシャクの幼虫はヒノキ科植物の葉に色斑も形もそっくりである。幼虫は1週間も摂食しないと死ぬことが多い。クロクモエダシャクは幼虫越冬であったために、まだ代謝が低下していたのか、1週間の絶食にもかかわらずそれほど深刻な発育障害は受けなかったようである。昆虫の宝庫とも思しき鳳来寺山へ行きながら、観光に徹したので、虫のお土産はこのクロクモエダシャクだけである。粗略な扱いにも耐えてくれたありがたい幼虫なので、普通種ながら大切に飼育したいと思う。

写真:クロクモエダシャク幼虫 (鳳来寺山産) 2006年4月9日撮影

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April 03, 2006

ミノウスバ幼虫

FlowerMinousuba今日は新しい職場へ初出勤の日。朝早めに職場の門をくぐると、真っ先に向かったのは新入オリエンテーション会場ではなく、庭の片隅にあるマサキの植込みだった。マサキの葉が部分的に枯れているのが見えた。ミノウスバ幼虫の食害だ。3月13日に来た時にはまだ孵化していなかったので、恐らくここ2週間ほどの間に孵化したのだろう。体長7-8mmの大きさであった。新しい職場は慣れないことばかりで不安このうえないが、早春のマダラガ幼虫を見て体内から力が湧いてくるような思いであった。

3月31日、これまで勤めていた職場での最後の仕事を終え、皆に別れの挨拶をしたところ、「待って!渡すものがあるの」と、上司の声。職場の仲間が集まる中、花束と色紙が贈呈された。色紙には仲間からの心温まる感謝と励ましの言葉がぎっしり書かれていた。思いがけない計らいに私は勇気づけられた。今日からピカピカの一年生。共に働いた仲間に励まされ、新しい職場でも頑張るつもりである。

贈られた花束とミノウスバ幼虫 2006年4月3日 名古屋市で撮影

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April 02, 2006

お花見

SakuraMitsumata昨日は大変良い天気だったので、鳳来寺山まで家族でお花見に出かけた。ところが、誰しも同じことを考えるせいか、東名高速道路は上下ともに大渋滞。鳳来町に着いたのはなんと午後1時半。まず戦国史上名高い長篠城址近くの農産物直売所「こんたく長篠」に立ち寄る。ここは地元で作っている野菜や山で採取した植木などが低価格で販売されているので、鳳来町へ来た時には必ず寄ることにしている。シロヤマブキやミツマタ、サクラ、モモの木も破格の安値で売られていた。たくさん買い込んだ後、澤田屋で酒まんじゅうと柏モチをお土産に買う。酒まんじゅうは一個84円とは思えないほど美味しい。板敷川河畔の「レストハウス板敷」で昼食。やなぎまつたけ釜飯定食とアマゴの塩焼き、とろろ蕎麦を頼む。顔を見てから炊き上げるので、少し時間がかかるが、素朴で家庭的な味だ。サービスも素人っぽいのがよい。量は多いが、味の方はいつも一定でないところが面白い。

腹ごしらえの後、鳳来寺山パークウェイへ戻り、江戸時代に建立されたという鳳来寺山東照宮へ向かう。ミツバツツジの赤紫色の花が鮮やかである。パークウェイの通行料金は以前有料だったが、最近無料になった。ところが、今度は以前無料だったパークウェイ駐車場の方が有料になっていた。なんだか騙されたような気分である。私達だけなら無理してUターンしていたところだが、母が同行していたので、泣く泣く500円を支払う。参道をしばらく歩いて東照宮拝殿を参拝する。林縁に咲くキブシやミツマタの淡い黄色の花はゆかしく、春の喜びをひそやかに謳うようだった。満開のソメイヨシノも良いが、山沿いのところどころに見られる咲き始めのサクラはことのほか風情があった。虫の方は幼虫を1頭採集しただけだったが、久しぶりに鳳来寺山の景色を堪能できて満ち足りた一日だった。

写真:2006年4月1日愛知県南設楽郡鳳来町で撮影 サクラとミツバツツジ、ミツマタ 

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