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June 29, 2006

ハイモンキシタバ

Haimon梅雨の季節は不快指数が高くて過ごしにくい。ところが、そんなじめじめしたシーズンは、虫にとっては絶好の活動期らしい。小雨がぱらついたり、今にも泣き出しそうな天気の日にフィールドへ赴くと、そこはまさに虫の楽園である。夕方や朝方は特に虫の姿が目につく。昨日、ヤナギの大木を見に行くと、樹幹にCatocala agitatrix mabella Holland, 1889 ハイモンキシタバが数頭止まっていた。ハイモンキシタバ幼虫の食餌植物はズミやエゾノコリンゴ、スモモなどのバラ科植物である。付近にはそうした植物は見たらないので、別のバラ科植物に寄生しているものと思われる。成虫の食餌はヤナギ、クヌギの樹液、腐果、花の蜜とのことである(西尾 1997)。先週も同じ場所に止まっていたので、恐らくヤナギから樹液が出ているのであろう。

ハイモンキシタバ2006年6月28日 名古屋市守山区で撮影

文献:西尾規孝(1997). Catocalaの生態. 誘蛾燈 150:101-128

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June 17, 2006

シロシタホタルガ

Shiroshita_1Uranamiaka_1ここ数日来、飼育中のシロシタホタルガが続々と羽化している。きっと野外でも成虫が見られるに違いないと思い、朝早くいつものフィールドへ出かけた。予想どおり、シロシタホタルガがまるでくるくると白い風車が回るような姿で、クロミノニシゴリやサワフタギの周辺を飛んでいた。敏感で近付くと、さっと飛びたち、ササや低木の葉上に止まる。オスの姿が多く、メスの姿は少なかった。シロシタホタルガの黒青色の前翅にはV字状の白帯があり、目立つ色彩である。ところが、木漏れ日の差す林縁にじっと静止していると、反射して意外にも目立たない。ホタルガと違って年1化なので、平地ではこの時期を逃すとお目にかかれない。成虫の大きさもホタルガより一回り小さく、体も青っぽいような感じがする。

シロシタホタルガの野外の行動を観察していると、近くのイソノキ(クロウメモドキ科)の葉上にウラナミアカシジミが止まっているのが目に入った。比較的低い位置に止まっていたので、そっとカメラを近づけると、それまで静止していたウラナミアカシジミが翅をすり合わせながらゆっくりと葉上を回り始めた。先日も撮影時に同様の行動を取るのを見ている。一種の警戒モードなのであろうか。おかげで、なかなか良いアングルに向いてくれずに撮影するのに一苦労した。イソノキの淡黄色の花はチョウの吸蜜源らしく、高い樹上には多くのウラナミアカシジミが見られた。

写真:シロシタホタルガとウラナミアカシジミ 2006年6月17日 名古屋市で撮影

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June 14, 2006

梅雨の晴れ間に飛ぶチョウ

MizuiroUranamiakaここ数日蒸し暑い日が続く。この時期、平地や低山地では様々なチョウが飛ぶ。そんなチョウの姿が見たくて、昨日いつものフィールドへ出かけた。すると、コムラサキがヤナギの周りを悠々と旋回する姿が目に入った。サトキマダラヒカゲも樹から樹へと機敏に飛んでいる。少し歩くと、すぐ汗ばむほどの湿気と熱気である。きっと、他にもチョウがいるに違いない、と期待に胸をふくらませながら歩いていると、すぐ目の前のササの葉上にウラナミアカシジミの姿があった。残念ながら、その個体は既に死んでいたが、ふと、クリの樹上を見ると数頭が飛翔していた。橙色と黒の模様が美しい。しかし、上の方を飛んでいて、シャッターチャンスは無かった。あきらめて、移動しようとしたところへ、今度はアカシジミが目の前に止まった。一昨日、ミズイロオナガシジミが撮影できたので、今度はアカシジミをと意気込んだ。ところが、なんとデジカメの設定を間違えてしまい、泣きたくなるようなピンボケばかり。絶好のチャンスだったはずなのに!自分のドジぶりに泣けてきて、昨日は落ち込む一日だった。

写真:ミズイロオナガシジミ 2006年6月12日 名古屋市で撮影
    ウラナミアカシジミ 2006年6月13日      同上

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June 08, 2006

オオヤママイマイの幼虫

Photo_1Photo_2Ooyama336月4日に定光寺へ行ったところ、ササの葉上に静止するオオヤママイマイ(ドクガ科)の幼虫を見つけた。ササにたまたま付いていたが、食餌植物はササではなく、ブナ科植物各種である。Lymantria lucescens (Butler, 1881) オオヤママイマイの幼虫は、Lymantria dispar japonica (Motschulsky, [1861]) マイマイガと似ているが、両種幼虫の識別は比較的簡単である。オオヤママイマイ幼虫の背上の瘤状突起は全て赤色。一方、マイマイガ幼虫は、胸部第1-3節と腹部第1-2節背上の瘤状突起が青色で、その他(腹部第3-8節背上)が赤色である。また、オオヤママイマイ幼虫の頭部には、「ハ」の字状の黒紋に加えて1対の黒点があるが、マイマイガの方は1対の黒点を欠く。幼虫の斑紋は、オオヤママイマイもマイマイガも共に変異が大きい。

071206

写真(上):(向かって左から)
  オオヤママイマイ中令、亞終令幼虫、同終令幼虫(瀬戸市定光町産)、マイマイガ終令幼虫(名古屋市産)

追記:(2006年7月12日) 飼育中のオオヤママイマイが羽化したので、写真を追加する
  (下):オオヤママイマイ♂成虫 2006年7月12日 飼育羽化

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アサマキシタバ幼虫

Photo新緑の季節は越冬キリガやフユシャク、早春の蛾類の幼虫が一斉に出現する時期。フィールドはまさに幼虫天国である。ところが、この時期に私は3週間以上も体調を崩してしまった。最初は軽い風邪とあなどっていたが、これが思いのほか長引いてしまったのだ。とはいえ、根っからの虫屋である私はフィールドに足を運ぶことだけは怠り無く、幼虫を採集し、室内で飼育した。皮肉なもので、体調が万全で無い時に限って、蛾が飼育容器で続々と羽化する。ところが、ブログを更新する元気が無く、一ヶ月分の写真を溜め込んでしまった。とりあえず手当たりしだい採集した幼虫の写真をアップしようと思う。

アサマキシタバは平地性のカトカラで、かっては普通に見られた種であった。幼虫はブナ科植物各種を摂食するが、最近は個体数が減少している。5月7日名古屋市北部の雑木林のコナラの葉上で2頭の幼虫を採集。カトカラの幼虫はいずれもピョンピョン跳ねるため、自然下での撮影は断念。写真は室内で撮影したものである。幼虫は飼育容器の蓋に張った不燃紙を折リ合せてボート状にし、その内に粗い白い繭を造って蛹化した。成虫は5月17日に羽化した。下翅の黄色が鮮やかな美しい個体だったが、これまたバタバタと飛ぶために写真撮影はできなかった。

写真:Catocala streckeri Staudinger, 1888 アサマキシタバ 幼虫 2006年5月7日撮影

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