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November 13, 2006

奈良の普通種

Photo_3Photo_411月10-12日、奈良へ旅に出た。日本鱗翅学会第53回大会に参加するためだ。京都へは幾度となく行くが、奈良は小学校の時行ったきりだ。私にとって初旅も同然である。名古屋からは、近鉄やJR関西線を利用する方が車窓からの景色も良いらしい。だが、せっかちな私は京都経由で新幹線と近鉄を利用。所要時間こそ短いが、およそ趣ある旅とは縁遠い。10日は職場から直行し、近鉄奈良駅に到着したのは午後7時すぎ。辺りは既に真っ暗で心細い限りだったが、どうにか上三条町のホテルへ辿り着く。上三条通りは多数の観光客が繰り出し、大変な賑わいであった。食事でもしようと、安そうな店を覘く。試みに1-2品頼んで見ると、美味しい。これはいけそうだと思っていると、なんとN氏がふらっと店に入って来るではないか。日本でシャチホコガ科幼虫と言えば、この人を置いては語れない。幼虫屋の私としては、これ以上の話相手は望むべくも無い。幼虫談義は盛り上がって、ふと気づいたら午後10時になっていた。氏の幼虫と食草の知識は広くて奥深く、どの話題も刺激的でわくわくするものだった。こうして旅の初日は幸先の良いスタートとなった。
写真:興福寺五重塔と浮見堂

11120611日は曇り時々雨。午前10時半から会議があるので、大事を取ってホテルを午前8時40分に出発する。会場の近畿大学農学部は奈良市の西方にある。最寄の近鉄富雄駅は普通、準急、急行電車しか停車しない。土日ダイヤということもあって、電車が無くて25分ほど近鉄奈良駅で待つことに。おまけに富雄駅から近畿大学行バスが出るバス停は少し離れている。やっとバスに乗り込んだら、会議に参加する知った顔の方々がにこにこ顔で迎えて下さり、ほっとする。やはり旅先で知っている人達に出会うことほど、心強いものは無い。近畿大学校門からまた歩いて、会場に到着したのは午前10時12分頃。かれこれ1時間半だ。名古屋駅~奈良駅間と同じくらいかかったわけだ。なにやら、午後1時半の大会開催前にすっかり疲れこんでしまった。
写真:チャエダシャク(高畑町)

Photo_5111206_112日の朝は早起きして、近鉄奈良駅のカフェでコーヒーを飲んでいると、ウォーキングシューズとリュック姿に地図を手にしたグループが湧くように現れては続々と発つのを目にした。そのエネルギッシュで楽しそうな様子に感動し、私も少し歩いてみたくなった。そこで、標識だけを頼りに興福寺から国立博物館、春日大社、奈良公園をバスと徒歩で廻ってから、新薬師寺あたりまで散策した。この日は奈良国立博物館で開催中の正倉院展最終日ということもあってか、奈良は朝から人で溢れかえっていた。古都散策は思いのほか爽快で、身も心も癒される思いがした。もっとも、虫の方はほとんど成果がなく、見たのはチャドクガ、チャエダシャク成虫、ナンキンキノカワガ幼虫、コカマキリなど、いずれも名古屋でも見られる普通種ばかり。奈良公園界隈の樹木はシカの皮剥ぎ防止のために樹幹に網が張られている。ところが移入植物であるナンキンハゼはシカの食害を免れて増殖したせいか、奈良には大変ナンキンハゼが多い。当然ナンキンハゼに寄生するナンキンキノカワガも多いわけである。
写真:ウスキツバメエダシャク(奈良公園)とナンキンキノカワガ終令幼虫(山ノ上町)

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