伊吹山のウスバシロチョウ
まだ蝶を知り染めし頃、ウスバシロチョウは憧れの蝶であった。その姿を図鑑で見た時、白と黒のデザインの斬新さに息を呑む思いであった。是非とも、この蝶を眼前に見てみたいという思いに駆られた。その上、食草のムラサキケマンは当時の私にとって未知の植物であった。このことが、私の想像力を一層膨らませた。岐阜県の平地では5月上旬に多産するとの情報を得て、伊自良村(現 山県市)へ出かけて見た。すると、村中何処にでもウスバシロチョウは溢れかえっていた。網を振っても一向に逃げる様子も無く、ただ悠然と浮遊するがごとく飛翔していたのである。余りの多さにあきれ返ると共に、この蝶に抱いていた幻想も忽ちのうちに消え失せてしまった。
あれから早20年余。各地でウスバシロチョウに慣れ親しんだせいか、胸が鼓動するような興奮を覚えることはもはや無い。しかし、今はこの蝶の味わい深さに改めて感じ入る。透き通るような白い翅、鮮明な黒い翅脈、その対照はまさに自然の妙。たおやかな飛翔の姿も、またよろしい。4月下旬に畑の葱坊主に寄るもの、5ー6月の山麓で遊ぶものやら、はては山頂に吹きあげられるものまで、生態もまさに多様で面白い。写真は、今年6月12日、伊吹山の山頂付近で、イブキガラシで吸蜜しているところを撮影したもの。当日はほぼ晴天で、ウグイスの声が朗々と響き渡った。山道沿いには、ヒメウツギ、ヤマボウシ、エゴノキの白い花が咲き、タニウツギの桃色花も色鮮やかであった。山頂付近には、グンナイフウロ(写真)、イブキハタザオ、イブキガラシ、ヒメレンゲ、ウマノアシガタ、クサタチバナの花々が咲いていた。
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Comments
こんにちは。
ウスバシロチョウ、本当に綺麗ですね。こちらでは今エゾシロチョウが全盛期を迎えています。バラ科の木に白い花が咲いたように群がっています。今年は多いのかもしれません。
Posted by: ブトボソ | June 17, 2007 at 06:15 AM
ブトボソさん、コメントありがとうございます。
エゾシロチョウ、いいですねえ。御地まで飛んで行って、全盛期のエゾシロチョウが飛翔する姿をこの目で見たいものです。ブトボソさんが羨ましい。
Phasmid
Posted by: Phasmid | June 17, 2007 at 07:10 AM
こんばんは!
ウスバシロチョウの模様は、影絵のようでとても素敵ですね。レトロな照明器具のシェードのデザインにしたいくらいです。ところで、伊吹山はそろそろ初夏のたたずまいでしたか?
Posted by: スズメ | June 17, 2007 at 11:51 PM
スズメさん、コメントありがとうございます。
御推察のとおり、山頂は涼しかったのですが、夏雲がもくもくと湧き、伊吹山はすっかり初夏の佇まいでした。
Phasmid
Posted by: Phasmid | June 18, 2007 at 02:19 PM
こんばんはPhasmidさん。伊吹山の6月は美しいのでしょうか。昔、私が秋に登ったときにお花畑がとても美しかったので、ある人に言ったら、全然そのようなことはなかったと言いました。で、それ以来伊吹山のお花畑のベストシーズンはいつ頃なのだろうと考えていました。新幹線から見ると山の左側が石灰岩採掘で削られて無惨な姿で、なんとかならないものかと思います。
Posted by: T.Y. | June 23, 2007 at 09:55 PM
T.Yさん、コメントありがとうございます。
伊吹山の山頂界隈のお花畑の全盛期は、その年の天候によっても異なりますが、概ね8月中旬ではないでしょうか。因みに2000年7月20日に訪れた時には、次のような植物の花を見ています。
ニッコウキスゲ(花季終わりかけ)、キバナノレンリソウ(伊吹山固有種)、ヤマアジサイ、ノリウツギ、ウツボグサ、カワラナデシコ、ミヤマコアザミ、シシウド、オオバギボウシ、ヒロハシモツケ、クサフジ、カラマツソウ、イブキトラノオ、アカショウマです。標高が低いわりに植物相が豊かな山ですね。
Posted by: Phasmid | June 24, 2007 at 05:02 PM