晩秋のちょい散歩

久しぶりの休み。朝から曇ったり、降ったりの天気だったが、散歩もかねて近場の雑木林へ。歩き出して早々に、ふとサクラの樹幹に目をやると、樹皮の一部が色濃く浮き出ているではないか!「うっ、あれは?」と目を凝らすと、やはり蛾であった。晩秋に出現するオオトビモンシャチホコ Phalerodonta manleyi manleyi (Leech, [1889]) の成虫。灯火に飛来した本種を見ることはよくある。しかし、自然に樹幹に静止する個体を見かけるのは嬉しい。夢中になって写真撮影。
ところが何枚か撮影した後、蛾の尾端に何やら黒い塊が固着していることに気付いた。不審に思って目を近づける。それは、なんとヨコヅナサシガメの幼虫であった。ヨコヅナサシガメ幼虫は、オオトビモンシャチホコの成虫の腹部に吸汁管を差し入れているようだった。しかし、まだ吸汁寸前だったようで、採集したオオトビモンシャチホコの成虫個体は普通に動き、腹部にもへこみなどは見られなかった。オオトビモンシャチホコの成虫は樹皮そっくりの模様をしており、樹皮に静止すると、まさしく隠蔽擬態そのもの。樹皮状の模様は鳥の目を逃れるのに有効的とされる。しかし、隠蔽擬態を最も効果的たらしめる背景の樹幹も実は危険がいっぱい。越冬サシガメ類にとっては格好の好餌となる。自分の体の何倍も大きいオオトビモンシャチホコをたった一頭で襲うヨコヅナサシガメ幼虫。いつも樹皮の割れ目の間で集団越冬するヨコヅナサシガメ幼虫を見る度に、一体何を摂食して生育するのか疑問に思っていた。冬季にカマキリ類の卵鞘を捕食したり、フユシャクやミツバチなどの小型昆虫を捕獲して餌とすることを見てきたが、自分の体長よりずっと大型の昆虫も襲撃しようとする現場を見たのは今日が初めて。あれだけの大所帯をどうやって養っているのか、これまで不思議であった。「大物狩り」の現場に立ち会って、ようやく納得がいった。










Recent Comments