晩秋の幼虫
虫の姿が少なくなる晩秋から厳冬期、なぜか私は俄然元気になる。大半の虫屋がフィールドから足が遠のく冬季、私にとってはようやく待ちに待った出番となる。本格的な冬シーズンに備えて、昨日は近場のフィールドを回ってみた。まず出会ったのは、リンゴケンモン Triaena intermedia (Warren, 1909) の幼虫。赤く色づきはじめたサクラの葉を盛んに摂食している最中だった。見事な毛並みである。モンシロドクガの幼虫に一見似ているが、リンゴケンモンの方が背上の刺毛が長くて縮れているので、区別できる。既に体長40mm近いので、終令であろう。ケンモンの仲間は蛹化の際には木片を噛んで繭を造営するので、シャーレにはサクラの葉と共に早々と樹皮が入れてある。
次に出会ったのはオオキノメイガ Botyodes principalis Leech, 1889 の幼虫だった。幼虫はヤナギの葉を袋状に巻いた中に潜んでいた。ちょっと見にはヤガ風に見える。成虫はノメイガとしては大きいので、幼虫の方も体長35mmと大きめである。蛹化も食餌植物の葉を巻いたケースの中で粗繭を作って行なわれる。食餌植物がヤナギ科植物ということもあってか河川敷に多産。昨年は成虫、幼虫共に矢作川の河畔林調査での常連さんでもあった。
後はヒサカキの葉の新しい食痕を頼りにホタルガ越冬幼虫(1令)を見つけた。今の時期、ホタルガの幼虫は葉上にいることが多い。ヒサカキやサカキの葉に見られる白い点々とした古い食痕に混じって、黄緑色の新しい食痕があれば、すぐ近くにホタルガ Pidorus atratus Butler, 1877 の若令幼虫がいることが多い。但し、若令幼虫はまるで褐色のゴミみたいで、大きさも数ミリなので、見過ごしてしまいがちである。冬季は食樹の下の方で風を避け、葉を重ね合わせて潜んでいることが多くて一層見つけにくい。越冬中は汚い古葉を巧みに重ねた間に潜んでいることも多い。晴天なら、太陽にかざすと見えやすい。写真は1令幼虫で4mmに満たない。
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Comments
躍動感に満ちたPhasmidさんのブログは秋晴れの陽に映える紅葉のようで爽快です。写真に写っているリンゴケンモンの幼虫はとても色彩が鮮やかですね。実際、見てみたいという気持ちに駆られてしまいます。今回おいでになったフィールドは里山のようなところですか。私の家の近くの公園にも桜の木はありますが、陸上のトラックがあったり、野球場があったり、草はらを犬が駆け回ったり、家屋があったりで、なかなか難しいかもしれませんね。
Posted by: スズメ | November 07, 2007 at 08:37 PM