神神温泉で見た蛾(後編)
10月27日午後、折りしも台風の影響で大雨であったが、再度昼神温泉を訪れた。雨天なら蛾も飛来するのではないかと期待したが、土砂降りで誘蛾灯にも蛾の姿は無かった。おまけに、雨は夜半には止み、夜空には星が輝き、月は澄みきった光を投げ、空気は乾燥して気温は低くなってしまった。蛾採集には最悪のパターン。あきらめて、夜は喜久水の生貯蔵酒を飲みながらの宴会三昧。深夜、露天風呂にも入ってみたが、蛾の姿は何処にも見られなかった。
翌朝、宿の自販機へウーロン茶を買いに行ったところ、網戸に蛾が止まっている。腹側からしか見えないので、種名はわからないが、ヤガであることに間違い無いようだ。戸を開けようとしたが、鍵が閉まっていて開けられない。すぐに部屋へ戻り、採集用具を持つと、表へ出てぐるっと大回りをして、やっと蛾の止まっている戸にたどり着いた。網戸に止まっていたのは、新鮮なケンモンミドリキリガだった。特に珍しい種ではない。しかし、美しい蛾なので、思わぬ儲け物であった。
宿を出た後、十字屋という昼神温泉界隈にしては美味しいコーヒーが飲める喫茶店で、ぼんやりと時間を過ごした。すぐ帰っても良かったのだが、あまりにも良い天気だったので、国道153号を少し南へドライブした。紅葉はまだ緑色にほんの少し黄色や赤色が混じる程度の色づき始め。しかし、それもなかなか風情があり、しっくりした景色だった。途中、冠雪した南アルプスの峰が見えるところがあったので、そこで止まって遠景を楽しんだ。快晴ということもあって、車やバイクの数が多く、道路は混雑していた。
午前11時過ぎに、蕎麦でも食べようということで、昼神温泉で有名な蕎麦処へ寄ろうとしたら、2店とも駐車スペースが無いほどの賑わいだった。やむなく、もう一軒の人気店に寄ると、そこはまだ満車ではなかった。しかし、ほどなくお客が次々と来店して、待ち組が並び始めるほどの盛況となった。蕎麦を待つうちに、小座敷の壁に大き目のシャクガが止まっていることに気付いた。早速、ケースに収める。オオネグロウスベニナミシャク Photoscotosia lucicolens (Butler, 1878)だ。これも珍しい種ではないが、阿智村産標本は持っていないので有難く頂戴する。この後、近くの月川温泉に寄ってから早めに家路へ。
TrackBack
TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/69451/16958071
Listed below are links to weblogs that reference 神神温泉で見た蛾(後編):

Comments
今年の夏はどこも格別に暑く、じっとしていても耐えがたいところがありました。いろいろご用も多く、しかもこの気候で、随分お疲れになっているのではと気になっておりました。
それにしても、温泉に浸かり、アルプスの山並みを眺め、そして、蛾を探す、、、これからのシーズンに向けてのチューンアップにはもってこいですね。
Posted by: スズメ | November 03, 2007 at 05:46 PM
スズメさん、コメントありがとうございます。
そうですね。今年は巡り合わせが悪くて、休みの日になると悪天候。まともな昆虫観察が出来ませんでした。せめて、冬季のフユシャク観察だけは・・・と期待していますが、果たしてどうなることやら。
Posted by: Phasmid | November 04, 2007 at 10:36 PM