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January 21, 2011

寒さを凌ぐウスバフユシャク

今日は快晴。しかし、風は冷たくて気温も低い。寒い日のフユシャク探しは、フユシャクとの根気比べだ。毛糸のロングマフラーと二重手袋で完全防備して平和公園へ着くと、いつものごとくサクラの樹幹を根元から目が届く位置まで食い入るように見て周った。しかし、フユシャクらしきものは見つからなかった。あきらめかけていた時、同行の連れが、「あっ、いた」と、手招きする。指差す方向を見ると、樹皮の割れ目の奥にウスバフユシャクが潜んでいた。うっかりしていると、見過ごしてしまうような巧みな隠れ方である。
2011年1月21日 名古屋市千種区 平和公園

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January 15, 2011

小雪の中のフユシャク観察

昨日は休みだったので、フユシャク観察に平和公園へ赴いた。いつものごとくサクラの樹幹を見て周ったのだが、ともかく寒くて、一所に長く立っていられない。そのうち、小雪が舞いはじめ、視界まで悪くなる。フユシャクはきっと居るに違いないが、探す人間の方が寒さに耐えられない。今日は坊主がなあ、と思い始めたところ、樹幹の少し凹んだところで風を避けるようにして止まっているウスバフユシャクを見つける。これに気を良くしていると、続いてもう1頭。やはりウスバフユシャクだ。帰りがけに木の根元で死んでいる同種を発見。なんと、それは交尾個体で、どうやら交尾中にクモの張った糸に絡まって身動きがとれなくなったらしい。因みに雌雄の腹部に捕食の形跡は見受けられなかった。
ウスバフユシャク 2011年1月14日 名古屋市千種区平和公園

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January 11, 2011

ナミスジフユナミシャク

ナミスジフユナミシャクは、日本産蛾類大図鑑(1982、講談社)では、学名をOperophtera brumata(Linnaeus, 1758)とされ、シベリア東部からヨーロッパまで広く分布すると記されている。1991年、中島秀雄氏は『蝶と蛾』42巻3号において、本種がヨーロッパ産とは異なる独立種であり、さらに2種に分類できるとして、Operophtera brunnea Nakajima コナミフユナミシャクとOperophtera variabilis Nakajima オオナミフユナミシャクを新種記載した。

この分類の細分化によって、ナミスジフユナミシャク種群の同定は困難を極めるようになった。原著論文の記載内容や同氏の学位論文『日本産フユシャクガ類(鱗翅目, シャクガ科)の分類学的, 生態学的研究』(Tinea Vol..15 (Supplement2), 1998)の種記載に夫々当てはまる個体もある一方、コナミフユナミシャクか、オオナミフユナミシャクか形態的に識別できない個体も多々存在した。これは同定能力の無い私だけの悩みなのかと思っていたら、どうもそうでは無かったらしい。

昨年、中島秀雄氏は『日本産フユシャクガの種の再検討』(蛾類通信 No.257:154-158)を発表した。それによると、コナミフユナミシャクとオオナミフユナミシャクの2種は同一種の種内個体変異であるとして、ナミスジフユナミシャクの和名を戻し、学名にはOperophtera brunnea Nakajima 1991を適用した。1991年のコナミフユナミシャク、オオナミフユナミシャク記載以降、多くの採集観察データが集積され、それを検討したところ、中間種も多く、両種の識別は困難という結論に至ったとのこと。

分類学上の誤りを自ら正す中島氏の潔さに感服する一方で、種分類の困難性、ひいては種とは何かについて改めて思いを巡らさないでおられない。もっとも、蛾の方は人間から何と呼ばれようと関係なく、毎年この季節になると、その姿や生態を、驚嘆すべき多様性で以って見せてくれるのである。

ナミスジフユナミシャク 2011年1月5日 名古屋市千種区平和公園

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January 09, 2011

ウスバフユシャクの隠れ場所

正月以来、一月とは思えぬほどの晴れ間が続いている。こんな時期の楽しみは何といってもフユシャク探しである。仕事が終われば平和公園へ直行して、サクラの樹幹を目を釘付けにして見て周る。灯火採集や糖蜜採集は効率よく定量的な昆虫分布調査ができるという点では意味深い。しかし、私は蛾類の種数よりも生態に関心があるので、たとえ効率は悪くても、目視で探すことにしている。フユシャクにとって捕食性天敵は先ず鳥類、クモ類、サシガメ類であろう。それらの天敵の目をくらます為に、フユシャクは枯葉や樹皮の一部であるかのような体色や模様を活用して身を護る。そうした保身を見破る楽しみは格別である。

1)木の腐食部に静止  
サクラの大木の一部が腐食して、スポンジ状にふかふかになっている。そこだけ色が淡黄土色になっており、ピタリと張り付くように静止していると、まるで背景色と一体化され、遠くからはわかりにくい。
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2)樹皮の割れ目に隠れる
樹皮の割れ目の間に隠れると、見る角度によっては全く見えないことがある。
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3)枯葉に擬態?
枯葉がひっかかっているのかな?と思って触って見ると、ふわっとした触感。頭隠して尻隠さず。
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4)根際に隠れる
木の根元の枯葉や雑草の間に身を隠す。動かないかぎり、保護色のためにまず見つからない。風除けも兼ねる利口な隠れ方である。
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