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November 28, 2011

晩秋の定番幼虫

ここ数日、朝夕の冷え込みが厳しくなり、紅葉が目立つようになってきた。先週は2回ほど平和公園へ立ち寄ったが、フユシャクの姿は未だ見られず、専ら植物の実の写真ばかり撮りまくった。マユミの紅色の実や、ソヨゴ、ナンテン、モチノキの赤い実が色鮮やかで美しい。カラスウリの黄色い実の写真を撮ったついでに、枯れかかった葉を見たら、ウリキンウワバの幼虫が3頭いた。脱皮前らしく、表皮が浮いていた。キンウワバ類の幼虫のうちでも形態が面白い幼虫である。
写真:Anadevidia peponis (Fabricius, 1775)ウリキンウワバ 幼虫(体長約18mm)

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この時期、幼虫が利用できる落葉広葉樹は少なくなっているが、カジノキは比較的遅くまで葉が残っている。公園などでは「駄木」として、伐採対象となりやすい木だが、養蚕盛んなりし頃には重要な有用木として珍重された。諏訪大社では、御神木として拝殿脇に植えられているほどである。カメムシ等が吸汁してボロボロになったカジノキの葉には、カクモンヒトリ中令幼虫が何頭もいた。幼虫は葉が落ちた後、樹幹で越冬する。
写真:Lemyra inaequalis inaequalis (Butler, 1879) カクモンヒトリ幼虫(体長約17mm)

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今や世界中に繁殖するイタドリは、遅くまで葉を付けている植物だが、この葉にはオオタバコガ幼虫が多数いた。
雑食性のオオタバコガ幼虫は冬季でも見られる。
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写真:Helicoverpa armigera armigera (Hübner, [1808])幼虫(体長約40mm)

2011年11月25日 名古屋市平和公園で撮影


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November 17, 2011

ミノウスバの恋

昨日は気持ちの良い秋晴れであった。晩秋の楽しみは、植物の果実の写真撮影である。植物の識別には、葉形や葉の付き方と共に、果実が手がかりとなることが多い。この期を逃しては又一年待たねばならないので、実という実は、ともかく手当たり次第撮影しまくる。クチナシの実を見つけ、早速撮影する。乾燥実は正月用きんとんの色付けには欠かせないが、生の実はイワカワシジミの飼育に欠かせない。次いでムラサキシキブの実の写真を撮り、さて今度はマユミの紅色の実の写真を・・・と、マユミの木に近づく。

すると、鮮やかなオレンジ色の塊が目に入る。目を凝らすと、マユミの葉にミノウスバの雌雄達が縺れるように群がっているではないか。他の枝にも何頭かいて、雄の中には腹端を挙げているものもいる。枝先で産卵中の雌達が折り重なっている一方、すぐ近くで交尾中のペア達、配偶者を求める雄達が群がっていた。
木の周りを多数のミノウスバがかなり早いスピードで飛びまわっている。オレンジ色の体が目立ち、大変美しい。
なんだか儲けものをしたようで、ちょっと嬉しい気分だった。
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Pryeria sinica Moore, 1877 ミノウスバ 2011年11月16日 名古屋市平和公園で撮影

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November 16, 2011

枝そっくりのオオトビスジエダシャク

昨日、平和公園を散策中、クサギ(クマツヅラ科)の木の側を通った。クサギの葉は、子供の頃飲んだ薬と同じ独特の臭いがする。クサギの枝を引き寄せ、「この枝そっくりの幼虫がいるんだよなあ」と、枝先に何気なく触れると、枝がふにゃふにゃに柔らかい。思わず手を離して、枝先を恐る恐る見る。枝と思って触ったのは、シャクガの幼虫だった。あやうく、手で潰すところであった。シャクガの幼虫なんてものは枝そっくりなんだけど、それにしても、これは擬態のやり過ぎ。どうやら、Ectropis excellens (Butler, 1884) オオトビスジエダシャクの幼虫らしい。
Ectropis属の幼虫は、いずれも多食性で形態も似たもの同士で紛らわしいが、発生期等を考えあわせると、恐らくオオトビスジエダシャクだろうと思う。近似種を幼虫で同定するのは自ずから限界があるので、正確な同定は、成虫の羽化を待つことにする。
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2011年11月15日 名古屋市平和公園で撮影

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サトクダマキモドキを狙うヨコヅナサシガメ(続)

昨日見たヨコヅナサシガメ幼虫とサトクダマキモドキのことが気になって、今日また平和公園へ立ち寄った。すると、くだんのサクラの樹幹には、サトクダマキモドキが昨日と全く同じ位置に同じような姿で静止しているではないか!ただ、違っていたのは、ヨコヅナサシガメ幼虫の位置だった。昨日のヨコヅナサシガメはサトクダマキモドキの後脚に口吻を差し入れていたが、今日は腹端にその口吻を差しいれていた。サトクダマキモドキは、時折長い触角を微かに動かす以外、麻痺でもしたかのように微動だにしない。これまで越冬中のヨコヅナサシガメ幼虫がフユシャクの雌やミツバチを襲ったりするところを目撃したことはある。しかし、これらの昆虫はヨコヅナサシガメ幼虫の体とほぼ同じ大きさである。よもや、自分の体の何倍もある大物狩を、一頭だけで丸一日以上かけて周到に行うとは夢にも思わなかった。
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サトクダマキモドキを襲うヨコヅナサシガメ幼虫 2011年11月16日 名古屋市平和公園で撮影

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サトクダマキモドキを狙うヨコヅナサシガメ

午前中、秋色漂う平和公園を散策した。林縁沿いを歩いていると、サクラの古木の樹幹に静止するサトクダマキモドキの♂を見つける。すぐ近くへ寄っても逃げないので、かなり弱った個体なのだろうか?そう思ってよく見ると、ヨコヅナサシガメの幼虫が忍び寄り、サトクダマキモドキの後脚の脛節と跗節との間に口吻を差し込んでいる。こんな大きな獲物を1頭の小さなヨコヅナサシガメ幼虫が仕留めることが出来るのだろうか?生憎、先を急いでいたので、この成り行きを見ることは出来なかったが、もし成功すれば、同じ樹の窪みで集団生活を送る仲間の幼虫達にとっては大変な御馳走になりそうだ。
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サトクダマキモドキを狙うヨコヅナサシガメ幼虫 2011年11月15日 名古屋市平和公園で撮影

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November 14, 2011

ヒメハサミツノカメムシ

昨日、仕事の帰りに平和公園へ立ち寄った。最近、日が暮れるのが早くなって、公園に着いた時には既に辺りは薄暗くなっていた。なるべく明るい林縁沿いを歩いていると、クワの葉上にカメムシの姿。早速シャッターを切るが手ぶれでピンボケ。種名がすぐわからなかったので、取りあえずシャーレに入れて持ち帰る。『日本原色カメムシ図鑑』の写真と記載を見比べた結果、前胸背側角の形状、♀生殖節後縁が直線状であること、ハサミの形状から判断して、どうやらヒメハサミツノカメムシの♀らしいことが判った。図鑑には♀成虫の写真は掲載されていなかったし、色彩も緑色型のことしか記されていなかったが、越冬前個体が緑色から赤褐色に変化することはよくある。変化しやすい色彩よりも、形態的特徴の方が同定の安定した基準だと思う。
因みに下の写真は冷蔵庫に少し入ってもらった後撮影したもの。
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ヒメハサミツノカメムシ♀ 2011年11月13日 名古屋市平和公園で撮影

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2011年11月14日 自宅で撮影

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November 11, 2011

リュウキュウキノカワガの幼虫飼育

先日より、ずっと中断して来た幼虫飼育を再開した。手当たり次第幼虫を見つけては撮影しまくり、どんな普通種でも採集して嬉々として飼育する。まるで、緊急避難させていた自分自身をようやく取り戻したような思いである。
今日は生憎朝から雨模様。しかし、こんな日も幼虫屋はシャーレ内の幼虫の世話や、生態観察をする楽しみがある。先日採集したリュウキュウキノカワガの幼虫達の餌換えをしたところ、幼虫の数がいつの間にか増えていることに気づく。どうやら、食餌用として採ってきたヤマモモの新葉にも幼虫が付いていたらしい。

幼虫はヤマモモの新葉に色彩がそっくりで、葉裏の主脈の上にピッタリと静止すると、葉の一部にしか見えない。初めてリュウキュウキノカワガ終令幼虫を付近のヤママモで見つけた時、デジカメを持っていなかったので、急いで家へ取りに戻り、撮影しようとしたところ、つい先程目に入った幼虫がどうしても見つからない。日を改めて再度時間をかけて、幼虫のいたヤマモモの葉という葉を掻き分けて、ようやく見つけ出した覚えがある。シャーレ内で居ることがわかっているはずなのに、探し出すことに一苦労することすら。写真は飼育品で体長約18mm。
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Risoba prominens Moore, 1881 リュウキュウキノカワガ中令幼虫  2011年11月11日 名古屋市東区で撮影

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November 10, 2011

ササキリ

昨日、平和公園へ寄ってみた。園内には、かなりまとまった数のハクチョウゲが植栽されているので、ホウジャクの幼虫が発生しているのではないかと思い、探してみた。しかし、数が多すぎて、すぐ集中力が切れてしまった。ざっと見たところでは、食痕も見られず、発生していないように見えた。蛾の幼虫なんて、大量に発生しても、少し時期がズレれば、さっぱり見つからないもの。また、時期を変えて又探索してみようと思う。

手ぶらで帰るのも寂しいので、枯れたササに止まっていたササキリを撮影する。ササキリは好きな直翅目昆虫の一つ。それにしても、長い蝕角である。写真の解像度が低いので見難いが、翅や前胸背、触角基部は構造色になっていて、光を浴びると、黒色が虹色に輝くことに気づいた。
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ササキリ♂ 2011年11月9日 名古屋市平和公園で撮影

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November 09, 2011

ホウジャクの幼虫(続編)

数日前、河川敷で見つけたホウジャクの幼虫について書いたが、あれから近所を探索した結果、別の場所でも植栽のハクチョウゲ(アカネ科)に幼虫が発生していることに気づいた。河川敷と同じように、日当りの良い場所で、定期的に剪定が行われているらしく、柔らかい葉が多く見られた。ホウジャクの幼虫は若令から終令までの令数で、ざっと見ても10頭以上はいた。寄生蜂やヤドリバエなどの寄生性天敵も多いらしく、明らかに様子のおかしい幼虫も見られた。25年以上もの間、蛾類幼虫の飼育を行ってきたが、ホウジャクの幼虫を飼育するのは初めてのこと。しかも、幼虫を自分自身で見つけて飼育する喜びは何物にも代え難い。先日、NHKのテレビで「ブータンシボリアゲハ謁見記」という番組を放映していた。確かにブータンシボリアゲハは素晴らしい蝶だが、虫屋にとって、長年自分が追い求めて来た虫を発見した時は、たとえ普通種であっても、同じ興奮と陶酔を与えてくれる。

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ホウジャク幼虫 2011年11月8日 名古屋市千種区で撮影

【追記】 2011年11月12日
ホウジャク幼虫は、11月10日から12日にかけて、飼育ケースの底に敷いてあったティッシュペーパーの間に潜り込み、食草の葉を粗く綴リ合わせ、その内で前蛹となった。なお、小さめの幼虫1頭は斃死した。

【追記】 2011年11月18日
たまたま古い画像を整理していたら、ネズミモチの花で吸蜜するホウジャクの成虫写真が出てきたので、参考までにアップする。
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Macroglossum stellatarum (Linnaeus, 1758) ホウジャク 2000年6月3日 名古屋市東区で撮影


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November 08, 2011

ヒメジュウジナガカメムシ

2週間ほど前に行われた草刈のお陰で、河川敷はすっかり丸坊主に。河川敷の限られた場所に生えていたガガイモ、クズ、ワレモコウ、コマツナギなど、昆虫に縁の深い野草もほとんど刈り取られてしまった。無論、環境の悪化した河川敷にギンツバメやミヤマシジミ、いわんやゴマシジミなど棲息するはずも無い。しかし、蛾や蝶の食草が近くに在るというだけで、何か癒される思いがした。それが急に目の前から消えてしまうと、言い知れぬ喪失感に襲われる。記憶を辿って、食草を探すと、アベリアに絡まるガガイモがかろうじて残っていた。枯れかかった葉表にはヒメジュウジナガカメムシの成虫が群生していた。冬にも成虫を見たことがあるので、多分成虫越冬なのだろう。
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Tropidothorax belogolowi(Jakovlev) ヒメジュウジナガカメムシ 2011年11月7日 名古屋市東区で撮影

【お侘びと訂正】 2011年11月8日
当初、ガガイモ葉裏の黄色の昆虫をヒメジュウジナガカメムシの幼虫と書きました。しかし、星谷さんの御指摘により、アブラムシの仲間であることが判明しましたので、文章を訂正させて頂きました。黄色のアブラムシは、吸汁植物がガガイモであることや、形態から、キョウチクトウアブラムシではないかと思います。

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November 06, 2011

あれ、秋にツクシが・・・・

今日は雨が降ったり、止んだり・・・遠出も出来ず、自宅の周りを虫を探して一日中うろうろ。蛾の幼虫の方は、普通種ながら、リュウキュウキノカワガ(ヤマモモ葉裏)、ホシホウジャク(ヘクソカズラ摂食中)、アメリカシロヒトリ(クワの葉で集団営巣)を観察した。カメムシ類は、ヒメジュウジナガカメムシ(ガガイモ葉裏)とクサギカメムシ(ヤブデマリ葉上)を見た。

しかし、今日一番驚いたのは、ツクシである。2週間ほど前、自宅裏の河川敷では大々的な草刈が行われたのだが、今日よくよく見ると、草の間から季節はずれの黄緑色のツクシの姿があちこちに見られた。このところ、小春日和が続き、先日(11月2日)にはホタルガの出現という珍事もあった。マダラガ類の化成などはかなり幅があるので、遅目に蛹化した個体がこのところの暑さで、間違って羽化しても、それほど不思議なことでは無い。私にとって、季節外れのツクシの出現の方が驚きである。このツクシ、色も青く、卵とじにしてもあまり美味しくなさそう。
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2011年11月6日 名古屋市東区で撮影

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ホウジャクの幼虫

昨日、出勤途中に植栽のハクチョウゲの側を通ったら、葉の間から幼虫の姿が目に入った。最初はホシホウジャクかな?と思ったのだが、少し違っているようにも見える。体長20mm余りの若令幼虫だ。そっと手で触れると、幼虫はポロッと下に落ちてしまった。しかたがないので、地面に落ちたまま、デジカメに納めた。シャーレを持っていなかったので、採集せずに元の枝に戻してやった。帰宅してからパソコンに取り込んだ画像をよく見ると、どうやらMacroglossum stellatarum (Linnaeus, 1758)ホウジャク の幼虫らしい。そういえば、つい先日、花の周りをホシヒメホウジャクと一緒にホウジャクの成虫が飛んでいるのを見た。ホウジャクが飛ぶ姿は、尾端の白色部分が目立つので、すぐ分かる。自宅周辺では10-11月に見られる。
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Macroglossum stellatarum (Linnaeus, 1758)ホウジャク若令幼虫 2011年11月5日 名古屋市千種区で撮影

この日は他にウラナミシジミ、ムラサキシジミ、ヒメアカタテハを見た。

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シソの葉上のウラナミシジミ 2011年11月5日 名古屋市東区で撮影


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November 02, 2011

11月のホタルガ

10月23日、ようやくケアマネ試験も終わり、後は結果をゆっくり待つばかり。受験勉強のために10ヶ月間封印していた昆虫観察を再開することになった。とはいえ、気が付いてみたら、もう晩秋。たいていの虫は姿を消しかけている。おまけに10ヶ月ものブランク。この間、虫のことで知識が増えたのは、試験頻出のノルウェー疥癬を引き起こすヒゼンダニのことだけ(;_;)。虫を探す目もすっかり衰え、同定力も完全に鈍っている。どうやら完全復帰には少なくとも数ヶ月はかかりそうである。

幸い、フユシャクシーズンまでには少しゆとりがあるし、ゆっくり時間をかけて鈍った虫屋力を取り戻そうと思いたち、しまい込んでいたデジカメを取り出した。そして、階下に降りたとたんに、ガラス戸に静止する小型の鱗翅目昆虫が目に止まった。最初はテングチョウかと思ったが、よく見るとイカリモンガであった。秋の個体は比較的珍しいし、最近は周辺も開発が進み、食草のシダ類も減少している。自宅周辺では少なくともここ20年ぐらい見ていない。これは幸先の良い再スタートである。
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気を良くして、久しぶりに散歩がてら平和公園へ行ってみることに。自宅周辺よりはるかに自然が豊かで、少し歩くだけで心が和む。特に何か探すということもなく、のんびりと歩いていると、ハッカクの木の高いところに黒地に白い帯をした蛾の姿が見えるではないか。一瞬我が目を疑ったが、なんとそれはホタルガであった。葉上でしきりに蝕角を動かしており、櫛毛状の蝕角から明らかに♂とわかる。写真を撮りたかったが、高すぎて上手く撮れない。網も持っていない。同行の伴侶が棒切れを投げて、下へ落とそうとしたが、かえって裏目に出て、もっと上の方へ移動してしまった。11月にホタルガの♂成虫が見られるとは!これも、一生懸命勉強したご褒美かな?

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