December 13, 2011

涙のホウジャク羽化

ケアマネ試験にも無事合格して、ようやく虫三昧の生活に戻れるかと喜んでいたら、発表日の翌日に大型封筒が到着。開けて見ると、実務研修の案内と受講証が・・・なんと、1月早々に研修が始まるという。合格の美酒に酔う間も無く、研修準備に躍起になっていた。

昨夜遅く、すっかり忘れていた飼育品のシャーレを見ると、なにやら黒っぽいものが見える。それは、11月12日に蛹化したホウジャクで、いつの間にか羽化していたらしい。幼虫の表皮に黒い傷があったので、てっきり寄生されているものと思い込み、小さなシャーレに蛹を入れてあったので、気の毒に羽化不全の上、背胸の鱗片も剥げてしまっていた。広くて立派な御殿?を準備して羽化を楽しみにしていると、ヤドリバエや寄生蜂が羽化したりする。どうせ駄目だろうと思って小さな容器に放置すると、こういう時に限って羽化する。全く思うようにならないものである。見る影も無い成虫写真だが、一応アップしたい。
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Macroglossum stellatarum (Linnaeus, 1758) ホウジャク  2011年12月12日 飼育羽化を確認

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December 01, 2011

今年最初のフユシャク

今日は12月1日。昨日までの陽気と打って変わり、にわかに寒々しい冬模様となった。こんな日は薄暗くて幼虫も探しにくい。遠出をあきらめ、午後から飼育品の食草採取を兼ねて自宅周辺を周ってみた。ウリキンウワバ幼虫のためにキカラスウリ、カクモンヒトリ用にクワ、ゴマフリドクガ用にホルトノキ・・・状態の良い若葉を捜し歩いていると、足元からふわふわっと淡茶色の蛾が舞い上がった。この時期に、この飛び方といえば、フユシャク以外考えられない。夢中になって追いかけると、蛾は草叢の上に止まった。クロスジフユエダシャクだった。デジカメを接写モードにして、そっと近づき連写しまくった。なんとか撮れているようだったので、逃げられないうちにと、ビニール袋を被せて蛾を採集した。胸背の鱗片が剥げているので、羽化してから大分経っているようだ。自宅周辺では、ウスバフユシャクに比べてクロスジフユエダシャクは個体数が少ないので、思いがけない収穫で嬉しかった。
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Pachyerannis obliquaria (Motschulsky, 1861) クロスジフユエダシャク♂ 名古屋市東区で撮影


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November 28, 2011

晩秋の定番幼虫

ここ数日、朝夕の冷え込みが厳しくなり、紅葉が目立つようになってきた。先週は2回ほど平和公園へ立ち寄ったが、フユシャクの姿は未だ見られず、専ら植物の実の写真ばかり撮りまくった。マユミの紅色の実や、ソヨゴ、ナンテン、モチノキの赤い実が色鮮やかで美しい。カラスウリの黄色い実の写真を撮ったついでに、枯れかかった葉を見たら、ウリキンウワバの幼虫が3頭いた。脱皮前らしく、表皮が浮いていた。キンウワバ類の幼虫のうちでも形態が面白い幼虫である。
写真:Anadevidia peponis (Fabricius, 1775)ウリキンウワバ 幼虫(体長約18mm)

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この時期、幼虫が利用できる落葉広葉樹は少なくなっているが、カジノキは比較的遅くまで葉が残っている。公園などでは「駄木」として、伐採対象となりやすい木だが、養蚕盛んなりし頃には重要な有用木として珍重された。諏訪大社では、御神木として拝殿脇に植えられているほどである。カメムシ等が吸汁してボロボロになったカジノキの葉には、カクモンヒトリ中令幼虫が何頭もいた。幼虫は葉が落ちた後、樹幹で越冬する。
写真:Lemyra inaequalis inaequalis (Butler, 1879) カクモンヒトリ幼虫(体長約17mm)

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今や世界中に繁殖するイタドリは、遅くまで葉を付けている植物だが、この葉にはオオタバコガ幼虫が多数いた。
雑食性のオオタバコガ幼虫は冬季でも見られる。
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写真:Helicoverpa armigera armigera (Hübner, [1808])幼虫(体長約40mm)

2011年11月25日 名古屋市平和公園で撮影


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November 17, 2011

ミノウスバの恋

昨日は気持ちの良い秋晴れであった。晩秋の楽しみは、植物の果実の写真撮影である。植物の識別には、葉形や葉の付き方と共に、果実が手がかりとなることが多い。この期を逃しては又一年待たねばならないので、実という実は、ともかく手当たり次第撮影しまくる。クチナシの実を見つけ、早速撮影する。乾燥実は正月用きんとんの色付けには欠かせないが、生の実はイワカワシジミの飼育に欠かせない。次いでムラサキシキブの実の写真を撮り、さて今度はマユミの紅色の実の写真を・・・と、マユミの木に近づく。

すると、鮮やかなオレンジ色の塊が目に入る。目を凝らすと、マユミの葉にミノウスバの雌雄達が縺れるように群がっているではないか。他の枝にも何頭かいて、雄の中には腹端を挙げているものもいる。枝先で産卵中の雌達が折り重なっている一方、すぐ近くで交尾中のペア達、配偶者を求める雄達が群がっていた。
木の周りを多数のミノウスバがかなり早いスピードで飛びまわっている。オレンジ色の体が目立ち、大変美しい。
なんだか儲けものをしたようで、ちょっと嬉しい気分だった。
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Pryeria sinica Moore, 1877 ミノウスバ 2011年11月16日 名古屋市平和公園で撮影

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November 16, 2011

枝そっくりのオオトビスジエダシャク

昨日、平和公園を散策中、クサギ(クマツヅラ科)の木の側を通った。クサギの葉は、子供の頃飲んだ薬と同じ独特の臭いがする。クサギの枝を引き寄せ、「この枝そっくりの幼虫がいるんだよなあ」と、枝先に何気なく触れると、枝がふにゃふにゃに柔らかい。思わず手を離して、枝先を恐る恐る見る。枝と思って触ったのは、シャクガの幼虫だった。あやうく、手で潰すところであった。シャクガの幼虫なんてものは枝そっくりなんだけど、それにしても、これは擬態のやり過ぎ。どうやら、Ectropis excellens (Butler, 1884) オオトビスジエダシャクの幼虫らしい。
Ectropis属の幼虫は、いずれも多食性で形態も似たもの同士で紛らわしいが、発生期等を考えあわせると、恐らくオオトビスジエダシャクだろうと思う。近似種を幼虫で同定するのは自ずから限界があるので、正確な同定は、成虫の羽化を待つことにする。
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2011年11月15日 名古屋市平和公園で撮影

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November 11, 2011

リュウキュウキノカワガの幼虫飼育

先日より、ずっと中断して来た幼虫飼育を再開した。手当たり次第幼虫を見つけては撮影しまくり、どんな普通種でも採集して嬉々として飼育する。まるで、緊急避難させていた自分自身をようやく取り戻したような思いである。
今日は生憎朝から雨模様。しかし、こんな日も幼虫屋はシャーレ内の幼虫の世話や、生態観察をする楽しみがある。先日採集したリュウキュウキノカワガの幼虫達の餌換えをしたところ、幼虫の数がいつの間にか増えていることに気づく。どうやら、食餌用として採ってきたヤマモモの新葉にも幼虫が付いていたらしい。

幼虫はヤマモモの新葉に色彩がそっくりで、葉裏の主脈の上にピッタリと静止すると、葉の一部にしか見えない。初めてリュウキュウキノカワガ終令幼虫を付近のヤママモで見つけた時、デジカメを持っていなかったので、急いで家へ取りに戻り、撮影しようとしたところ、つい先程目に入った幼虫がどうしても見つからない。日を改めて再度時間をかけて、幼虫のいたヤマモモの葉という葉を掻き分けて、ようやく見つけ出した覚えがある。シャーレ内で居ることがわかっているはずなのに、探し出すことに一苦労することすら。写真は飼育品で体長約18mm。
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Risoba prominens Moore, 1881 リュウキュウキノカワガ中令幼虫  2011年11月11日 名古屋市東区で撮影

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November 09, 2011

ホウジャクの幼虫(続編)

数日前、河川敷で見つけたホウジャクの幼虫について書いたが、あれから近所を探索した結果、別の場所でも植栽のハクチョウゲ(アカネ科)に幼虫が発生していることに気づいた。河川敷と同じように、日当りの良い場所で、定期的に剪定が行われているらしく、柔らかい葉が多く見られた。ホウジャクの幼虫は若令から終令までの令数で、ざっと見ても10頭以上はいた。寄生蜂やヤドリバエなどの寄生性天敵も多いらしく、明らかに様子のおかしい幼虫も見られた。25年以上もの間、蛾類幼虫の飼育を行ってきたが、ホウジャクの幼虫を飼育するのは初めてのこと。しかも、幼虫を自分自身で見つけて飼育する喜びは何物にも代え難い。先日、NHKのテレビで「ブータンシボリアゲハ謁見記」という番組を放映していた。確かにブータンシボリアゲハは素晴らしい蝶だが、虫屋にとって、長年自分が追い求めて来た虫を発見した時は、たとえ普通種であっても、同じ興奮と陶酔を与えてくれる。

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ホウジャク幼虫 2011年11月8日 名古屋市千種区で撮影

【追記】 2011年11月12日
ホウジャク幼虫は、11月10日から12日にかけて、飼育ケースの底に敷いてあったティッシュペーパーの間に潜り込み、食草の葉を粗く綴リ合わせ、その内で前蛹となった。なお、小さめの幼虫1頭は斃死した。

【追記】 2011年11月18日
たまたま古い画像を整理していたら、ネズミモチの花で吸蜜するホウジャクの成虫写真が出てきたので、参考までにアップする。
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Macroglossum stellatarum (Linnaeus, 1758) ホウジャク 2000年6月3日 名古屋市東区で撮影


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November 06, 2011

ホウジャクの幼虫

昨日、出勤途中に植栽のハクチョウゲの側を通ったら、葉の間から幼虫の姿が目に入った。最初はホシホウジャクかな?と思ったのだが、少し違っているようにも見える。体長20mm余りの若令幼虫だ。そっと手で触れると、幼虫はポロッと下に落ちてしまった。しかたがないので、地面に落ちたまま、デジカメに納めた。シャーレを持っていなかったので、採集せずに元の枝に戻してやった。帰宅してからパソコンに取り込んだ画像をよく見ると、どうやらMacroglossum stellatarum (Linnaeus, 1758)ホウジャク の幼虫らしい。そういえば、つい先日、花の周りをホシヒメホウジャクと一緒にホウジャクの成虫が飛んでいるのを見た。ホウジャクが飛ぶ姿は、尾端の白色部分が目立つので、すぐ分かる。自宅周辺では10-11月に見られる。
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Macroglossum stellatarum (Linnaeus, 1758)ホウジャク若令幼虫 2011年11月5日 名古屋市千種区で撮影

この日は他にウラナミシジミ、ムラサキシジミ、ヒメアカタテハを見た。

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シソの葉上のウラナミシジミ 2011年11月5日 名古屋市東区で撮影


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November 02, 2011

11月のホタルガ

10月23日、ようやくケアマネ試験も終わり、後は結果をゆっくり待つばかり。受験勉強のために10ヶ月間封印していた昆虫観察を再開することになった。とはいえ、気が付いてみたら、もう晩秋。たいていの虫は姿を消しかけている。おまけに10ヶ月ものブランク。この間、虫のことで知識が増えたのは、試験頻出のノルウェー疥癬を引き起こすヒゼンダニのことだけ(;_;)。虫を探す目もすっかり衰え、同定力も完全に鈍っている。どうやら完全復帰には少なくとも数ヶ月はかかりそうである。

幸い、フユシャクシーズンまでには少しゆとりがあるし、ゆっくり時間をかけて鈍った虫屋力を取り戻そうと思いたち、しまい込んでいたデジカメを取り出した。そして、階下に降りたとたんに、ガラス戸に静止する小型の鱗翅目昆虫が目に止まった。最初はテングチョウかと思ったが、よく見るとイカリモンガであった。秋の個体は比較的珍しいし、最近は周辺も開発が進み、食草のシダ類も減少している。自宅周辺では少なくともここ20年ぐらい見ていない。これは幸先の良い再スタートである。
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気を良くして、久しぶりに散歩がてら平和公園へ行ってみることに。自宅周辺よりはるかに自然が豊かで、少し歩くだけで心が和む。特に何か探すということもなく、のんびりと歩いていると、ハッカクの木の高いところに黒地に白い帯をした蛾の姿が見えるではないか。一瞬我が目を疑ったが、なんとそれはホタルガであった。葉上でしきりに蝕角を動かしており、櫛毛状の蝕角から明らかに♂とわかる。写真を撮りたかったが、高すぎて上手く撮れない。網も持っていない。同行の伴侶が棒切れを投げて、下へ落とそうとしたが、かえって裏目に出て、もっと上の方へ移動してしまった。11月にホタルガの♂成虫が見られるとは!これも、一生懸命勉強したご褒美かな?

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January 21, 2011

寒さを凌ぐウスバフユシャク

今日は快晴。しかし、風は冷たくて気温も低い。寒い日のフユシャク探しは、フユシャクとの根気比べだ。毛糸のロングマフラーと二重手袋で完全防備して平和公園へ着くと、いつものごとくサクラの樹幹を根元から目が届く位置まで食い入るように見て周った。しかし、フユシャクらしきものは見つからなかった。あきらめかけていた時、同行の連れが、「あっ、いた」と、手招きする。指差す方向を見ると、樹皮の割れ目の奥にウスバフユシャクが潜んでいた。うっかりしていると、見過ごしてしまうような巧みな隠れ方である。
2011年1月21日 名古屋市千種区 平和公園

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