February 06, 2006

ホソヒラタアブ

hosohirata040202hosohirata020206我家は飼育中の越冬幼虫のために暖房を一切入れていない。ところが職場は暖房完備で半袖姿も見られるほどの暑さである。寒いところと暑いところを往復する毎日で、すっかり体調を崩し、先週末から風邪でフィールドへ出られなくなってしまった。ちなみに夏は我家も山地性幼虫のために冷房を入れるので、職場が冷房完備でも問題はない。というわけで、今日登場するのは先日名古屋市北部の雑木林で撮影したホソヒラタアブである。Episyrpus balteatus (De Geer, 1776) ホソヒラタアブはハナアブ科に属する双翅目昆虫で、各地に分布する普通種である。成虫越冬し、冬季も飛ぶところが見られる。幼虫はアブラムシを吸汁する。写真のホソヒラタアブ成虫はどうやら♀のようだ。

写真:ホソヒラタアブ幼虫(コデマリの葉上) 2002年4月2日  名古屋市で撮影
    ホソヒラタアブ成虫 2006年2月2日 同上

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January 11, 2006

毛虫と一緒のアミメクサカゲロウ

午後2時頃フユシャク観察のために自宅から4kmほど離れた雑木林を散策した。今日は風が冷たかったせいか、クロスジフユエダシャク♀4頭とコナミフユナミシャク♂3頭を見つけただけだった。クロスジフユエダシャク♀のうち1頭は産卵管を突き出して樹皮の窪みに黄緑色の卵を産卵しているところであった。後の3頭は既に産卵を終えたと見られる個体であった。フユシャクの♀は産卵を終えるとほどなく死ぬ。クロスジフユエダシャクの時期はそろそろ終わりで、コナミフユナミシャクの時期になったことを感じた。

amimekusa樹幹にいるフユシャク探しに夢中になると、知らない間に目がフユシャク用に特化してしまい、他の昆虫が視界に入りにくくなるきらいがある。こうした視野狭窄は「昆虫なんでも屋」を自認する私にとって御法度である。そこで今日は目を大きく見開き、もっと多種多様な昆虫を見つけたいと考えた。散策しているうちにカクレミノの木があったので、タテジマカミキリでもいないものかと枝を見上げると、葉裏に黒色の幼虫が寄生していた。カクレミノを引き寄せてみると、Lemyra imparilis (Butler, 1877) クワゴマダラヒトリ幼虫(体長約10mm)だった。本種成虫は秋に出現する蛾で、幼虫はクワの害虫として有名だが、クワ以外にも多数の植物を摂食する。幼虫は晩秋まで各種植物の葉上で見られるが、食餌植物が落葉すると枯葉や常緑のオオイタビやテイカカズラ、スイカズラの葉を合わせた間に潜んで翌春まで幼虫越冬する。しかし、カクレミノ(ウコギ科)の葉裏で露出して越冬するところを見たのは初めてである。カクレミノの葉には幼虫の脱皮殻は多数付着していたが、食痕は見当たらなかった。なお、同じ葉裏にはNacaura matsumurae(Okamoto, 1912) アミメクサカゲロウがクワゴマダラヒトリ幼虫と一緒に越冬していた。アミメクサカゲロウ(クサカゲロウ科)の幼虫は肉食だが、成虫が何か摂食するのか、それとも吸汁するのか、私は知らない。

写真:アミメクサカゲロウとクワゴマダラヒトリ幼虫 2006年1月11日 名古屋市で撮影

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December 27, 2005

キアシフンバエ

himefunbae12月も下旬になると、飛んでいる昆虫の姿を見ることがめっきり少なくなる。フユシャクや越冬キリガなどは冬でも得られるが、自然度の低い自宅周辺では見られる種や時間帯がかなり限定される。その点、ハエの仲間は分布域が広く、冬季でも飛んでいる種が多い。Scathophaga mellipes (Coquillett、1899) キアシフンバエは体長約10mmほどの赤褐色のハエでフンバエ科に属する。フンバエの幼虫は腐った植物や糞を摂食するが、成虫は小昆虫を捕食するという。近似種ヒメフンバエとの識別はよくわからないが、脚が赤褐色であること、翅に褐色紋が無いこと、中胸背板が暗緑色であることから、キアシフンバエと同定した。写真はサカキの葉上に止まったところを撮影したものである。

2005年12月25日 名古屋市で撮影

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December 18, 2005

雪の日のオオハナアブ

yukikurosuji121805oohanaabu今日の名古屋は雪が降ったり、止んだりの天気だが、午前10時頃晴れ間を見せたので、近くの雑木林へ昆虫観察に出かけた。通行量の多い道路は雪も融けかけていたが、林内には雪が残っていて凍えるように寒かった。今日はさすがに昆虫の姿も少なかったが、それでもコナラの樹幹にはクヌギカメムシの仲間の姿が見られた。このカメムシは寒さに強いようだ。この時間帯に乱舞するクロスジフユエダシャクも枯葉の間に隠れているのか、1個体だけ雪の間から飛び出し、カナメモチの葉上に止まっただけだった。

冷え込みも厳しいので、早めに観察を終えようとしていると、「あんなところにハチがいる」と、連れがツツジの葉を指差す。止まっていたのは、ハエ目ハナアブ科に属するPhytomia zonata (Fabricius, 1787) オオハナアブだった。気温が低いので、触っても動かなかった。4月から10月にかけての採集記録が多いようで(玉木長寿 1997 『埼玉昆虫誌 II 双翅目』 埼玉昆虫談話会)、12月の記録は珍しいのではないかと思う。

写真:雪の残った林床、クロスジフユエダシャク、オオハナアブ
    2005年12月18日 撮影

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December 15, 2005

クリオオアブラムシ

kuriooabura今日は12月にしては暖かい日だ。午前中久しぶりに裏の河川敷へ下りてみた。川沿いの日当たりの良いところにアベマキの若木が数本生えていて、毎年Lachnus tropicalis (van der Goot) クリオオアブラムシが発生を繰り返している。年多回発生のようだが、4月中旬から5月にかけてと、11月中旬から12月中旬の世代の個体数が多くて目に付く。寄主はクリ、クヌギ、アラカシ、シイ(宗林 正人(1983)『日本のアブラムシ』)とのことだが、自宅周辺ではアベマキに寄生する。

安田守さんのブログ(私の一番好きなブログ)「イッカク通信発行所>自然観察な日々」には、無翅形雌成虫が卵をおんぶしている姿が掲載されている。そんな面白い姿を見たいと思ったのだが、残念ながら逆光ということもあって、よく見えなかった。雌成虫の方が圧倒的に多いが、有翅形雄成虫の姿も少数ながら見られる。このブログの画像では見えにくいが、樹幹には小豆色の卵が無数に産付されていた。卵は4月上旬に孵化し、雌のみが出現する。

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August 16, 2005

クヌギハマルタマフシ

kunugi裏の河川敷にはクリの木が生えている。そのクリの木の葉表には赤い玉が多数付いていて、まるで実のように見える。Aphelonyx acutissimae Monzen(1953) クヌギハマルタマバチ(タマバチ科)の単性世代が形成したゴール(Gall  虫こぶ・虫えい)で、クヌギハマルタマフシと呼ばれる。ゴールの中には クヌギハマルタマバチの幼虫がいる。ゴールとは、ゴール形成生物の何らかの刺激によって寄主(Host)になる植物の細胞・組織が増殖・肥大し、植物の部位に生じる変形の総称である。

タマバチ類は単性世代(単為生殖を行う世代)と両性世代(雌雄の受精により次世代を産する世代)を交互に繰り返し、世代毎に別のゴールを形成するものがいる。本種も単性世代と両性世代のゴールは異なり、両性世代のゴールは、クヌギハナコケタマフシと呼ばれる。寄主はクヌギ、アベマキ、クリ。

写真:クリに形成されたクヌギハマルタマフシ 2005年8月16日 名古屋市で撮影

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February 23, 2005

冬のミバエ

Dip0217先日(2月17日)、タブの葉上で双翅目昆虫を見つけた。5mmぐらいの大きさで、ともかくよく動きまわる。体は黄褐色、翅に黒い横帯が3条見られる。「昆虫フォーラム」で種名を尋ねたところ、ミバエ科のミスジハマダラミバエTrypeta artemisicola らしい。(パレット「昆虫ワ-ルド」 #2613 田悟さん同定) 「原色昆虫大図鑑lll」(北隆館)の図は、翅の黒条がうす茶色に変色していて、わかりにくい。寄主植物は、ヨモギ、キクなど。冬は飛ぶ昆虫が少ないので、ミバエでも見つけると嬉しい。

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December 14, 2004

双翅目学会国際大会

congress昨日、双翅目談話会から、第6回双翅目学会国際大会の案内が来た。2006年9月23日から28日まで、福岡で開催されるとの案内だ。双翅目とは、ハエやアブのように、翅が一対の昆虫のグループのこと。ハエは汚いもののように思われているが、よく見ると、翅は繊細で、頭部や背中の毛は輝くばかりの黒青緑色をしていて、なかなか美しい昆虫。ハナアブは今の季節でも飛んでいるが、これまた腹部の縞模様が粋な昆虫だ。まだ1年半先のことで、それまで生きていられるかもわからないが、ちょっと楽しみだ。

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